戸田建設、浮体式洋上風力発電事業で、発電設備を海上に立ち上げるための半潜水式作業台船を開発。約4割のコスト削減可能に(RIEF)
2018-05-19 07:55:39
戸田建設は開発を進めている浮体式洋上風力発電設備の建設コストを削減できる半潜水型の作業台船を完成させたと公表した。開発したのはスパッド台船「FLOAT RAISER(フロートレイザー)」。クレーン船を使う現行方式より約4割のコスト削減になるという。
戸田建設は昨年秋、長崎・五島市沖で開発を進めている浮体式風力発電事業の資金調達のため、わが国では初となる再エネ・プロジェクト事業のためのグリーンボンドを発行。環境金融研究機構(RIEF)による2017年のサステナブルファイナンス大賞に選考されている。
今回開発したのは、陸上で建造した洋上風力発電設備のハイブリッドスパー型浮体を、海上に運んで立ち上げる作業のための台船。これまでは、縦長の浮体をクレーン船で運んで立ち上げていた。戸田建設が共同事業開発先の株式会社吉田組との共同出資会社「オフショアウィンドファームコンストラクション合同会社」が開発した。
開発した台船は、バラスト調整しながら台船上に多軸台車等で設備をロールオン(積込み)し、海上の沖合で半潜水状態のまま浮体をフロートオフ(浮上・進水)することができる。作業期間を大幅に短縮できることから、従来手法に比べ大幅なコスト削減が可能になる。戸田建設は今後、他の発電事業者にも貸し出して、洋上風力の普及を目指す。
船体は、全長 110.0m、全幅 43.0m、深さ 6.8m、喫水 4.7m、総トン数 12,300㌧。主発電機 750kW×2台、補助発電機 160kW×1台を備えている。縦横どちらからでも設備を積み込むことができる。約5000㌧までの重量物の作業に対応できる。また、甲板上から7.4mまでの潜水が可能という。
浮体式洋上風力発電施設や、着床式洋上風力発電施設の建設にも活用できるという。
http://www.toda.co.jp/news/2018/20180516.html