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ソニー、熊本の半導体テクノロジーセンター建物屋上にメガソーラー建設。全量自家発電。来年1月稼動。順次、国内の工場、物流拠点等にも設置、自家発電力を高め、「RE100」の目標達成へ前進(RIEF)

2018-11-29 14:52:46

SONY1キャプチャ

 

 ソニーは来年1月に、半導体の開発・製造拠点である熊本県菊陽町の熊本テクノロジーセンターに、出力1.065MWの太陽光発電設備を稼動させる。センターの屋上の一部にパネルを設置するもので、自家発電として利用する、ソニーは全社での電力の使用を2040年に100%再生エネルギー化する目標を掲げ、国際的な「RE100」にも加入している。目標達成のため、自前での調達を進める。

 

 熊本テクノロジーセンターは、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの半導体製造拠点。同社のグローバルエネルギー使用量の約8割は日本国内で生じている。そのうち約9割は電力が占める。欧州ではすでに100%再エネ電力を達成し、米国でも再エネ率は25%となっている。米国も2030年には100%化する予定だ。

 

 しかし、日本では再エネ市場が十分に発達しておらず、政府の固定価格買取り制度(FIT)に基づく太陽光発電等の電力も、再エネ分だけを切り出して調達できない仕組みとなっている。このため、同社はこれまで、グリーン電力証書の調達等に力を入れてきたが、RE100の目標を達成するには、十分な量がない。こうしたことから、J-クレジットや東電の水力発電100%メニューの「アクアプレミアム」などの調達などと多様化している。

 

ソニーの「RE100」達成のプログラム
ソニーの「RE100」達成のプログラム

 

 自家発電はその多様化策の中で、もっとも確実に再エネ電力を調達できる手段となる。海外のソニーUKテクノロジーセンターや米ソニー・ピクチャーズ・エンタテイメント本社などでは、すでにそれぞれの建物の屋上に太陽光発電設備を設置し、自家消費している。国内ではこれまで小規模な取り組みしかなかったが、熊本の太陽発電設備は初のメガソーラーとなる。

 

 太陽光パネルは、熊本テクノロジーセンター1号棟の屋上に5760枚を敷設する。出力は1.065MWで、年124万kWhを発電し、同センターのクリーンルームの空調の運転に使う。災害時には近隣の公園に電力を供給する計画だ。

 

 熊本センターに続いて、全国の工場や物流拠点などの建物の屋上にも、太陽光発電設備を順次、設置していく方針だ。半導体工場に比べると、物流拠点は建物の大きさの一方で、内部で消費する電力量が少ないことから、昼間に発電した余剰電力を、電力を多く消費する半導体工場などへ融通する仕組みも考えている。グループ会社の拠点間で電力を融通するには、電力会社の送配電網を使って供給できる「自己託送制度」を利用する見通しになる。

 

 半導体工場は大量のエネルギーを消費するので、発電した電力はすべて自家消費する。同社では同時に、工場の省エネ対策も徹底させて、エネルギー消費量の削減を進めている。たとえば、同じ九州の長崎にある長崎テクノロジーセンターでは、従来、半導体工場の内部の温度を一定に安定させるため、灯油を燃料にしたボイラーで蒸気を発生させて空調に利用していたが、これを今年の8月から廃熱リサイクルの空調に切り替えて、CO2の排出量を削減した。

https://www.sony.co.jp/