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フランスの燃料税増税への抗議行動、3週目の週末抗議へ。13万人以上が参加。パリ市内での衝突で400人以上が逮捕。マクロン大統領への不信感強く(RIEF)

2018-12-02 00:27:47

Franceyellow3キャプチャ

  フランス全土で週末に繰り広げられている燃料税増税へ反対する抗議行動は、3週目に入った1日、2日もパリ市内を含め各地で実施された。政府の調べては両日で約13万6000人が参加、各地で道路の閉鎖や抗議行動を展開した。パリ市内では警備の警官隊との激しい衝突で412人が逮捕された。

 

 (写真は、パリ中心部の凱旋門周辺で催涙ガスが漂う情景)

 マクロン大統領は、先週、エネルギー政策の刷新を発表した際、市民らの燃料税増税反対行動の長期化についても言及、石油価格が上昇していることを理由に、増税時期を遅らせる可能性や抗議行動グループなどとの間で、3カ月の協議期間を設けることを提案した。http://rief-jp.org/ct10/84951

 (3日に一部修正しました)

 しかし、市民の多くは大統領の宥和的発言には否定的で「マクロン、われわれをバカにするな」などのスローガンが示されるなど、逆に反発を強めている。パリ市内での抗議行動では、一部に、極右、極左両方の活動家が扇動する動きもみられたが、多くは一般の市民が自発的に「黄色いジャケット」を着て、道路の閉鎖や、抗議行動に出かけている。

 

抗議者に機動隊が放水攻撃
抗議者に機動隊が放水攻撃

 パリ市内のエリゼ宮周辺には約5000人規模の群衆が詰め掛け、催涙ガス散布の機動隊と激しくぶつかり合う場面も展開された。抗議集団の一部は投石で対抗する光景が、先週末に続いて繰り広げられた。

 

 抗議行動に参加擦る普通の市民らは、マクロン大統領が「温暖化対策のために燃料税の増税が必要」と主張する論理自体に、疑念を隠そうとしない。「電気自動車への切り替えを強制させ、自動車産業を有利にしようという産業寄りの姿勢。温暖化対策の説明は隠れ蓑に過ぎない」といった反発だ。

 

 マクロン大統領の支持率は3割を切っており、「大統領が何を言っても信用できない」という評価が市民の側には定着しているようだ。

 

郊外の道路を平和的に閉鎖する抗議行動の市民たち
郊外の道路を平和的に閉鎖する抗議行動の市民たち

 

 現場を視察した内務大臣のChristopher Castaner氏はツィッターで、警備ゾーンの外には扇動者が1500人ほどいた、と指摘している。1日の土曜の逮捕者は午前中だけで107人。両日を通じて逮捕者は412人に増えた。負傷者も警官、抗議側双方で133人にのぼった。

 

 仏政府は「過激派がデモに乗じて暴力行為を繰り広げた」と抗議行動を非難した。一方、市民の間では「政府が過激分子を送り込み、『弾圧』の理由づくりを行っている」との批判の声もあがっている。

 

https://www.bbc.com/news/world-europe-46411699