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金融庁、チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサー(CSO)を設置。初代CSOに池田賢志氏(国際室長)。サステナブルファイナンスを金融行政として位置づけ(RIEF)

2019-03-18 12:22:20

FSAキャプチャ

 

  金融庁は、新たにチーフ・サステナブルファイナンス・オフィサー(CSO)のポストを創設、初代CSOに池田賢志国際室長を任命した。池田氏は、CSOと国際室長を当分、兼務する。

 

 サステナブルファイナンスは、グリーンボンドなどのグリーンファイナンスに加えて、社会的課題等を金融的にとらえる取り組みを総称したもの。国際的には現在、EUがサステナブルファイナンス行動計画に基づいて、同分野の法的フレームワーク作りを進めているほか、国際標準化機構(ISO)も、サステナブルファイナンスの規格化のために新たな技術委員会TC322を立ち上げるなどの動きが広がっている。

 

池田賢志氏
池田賢志氏

 

 こうした動きに対して、日本ではこれまで、環境省がグリーンボンドに絞った国内向けに限定したガイドラインを制定しているが、社会的課題等を含むサステナビリティボンドは対象外とするなどの状態が続いている。またISOは経済産業省が基本的に所管するが、金融分野への取り組みが遅れているという指摘もある。さらに金融活動は国内だけではなく、内外市場と連携しているが、そうした内外連携の取り組み視点も政策面ではみられない。

 

 グリーンにしろ、ESGにしろ、ファイナンス機能を使って課題解決を目指す場合、金融機関の経営、金融商品の妥当性等と密接に関連する。したがって、金融庁の取り組みが求められていたが、これまでは、他省庁との業際的な調整等で、慎重な姿勢にとどまっていた。今回、CSOを設立したことで、ようやくサステナビリティを金融行政として位置づけたことになる。今後の展開が、期待される。

 

 池田氏は、2016年7月以来、金融庁総合政策局総務課国際室長として、G20やG7などの国際分野での活動に加え、庁内のSDGs取組戦略プロジェクトチームの事務局を務めるなど、サステナビリティ、ESG分野を主に担当してきた。

 

 金融庁は先月、金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の関連情報をツィターで発信する「金融庁TCFDチーム」という公式アカウントを開いている。https://twitter.com/tcfd_JFSA

 

https://www.fsa.go.jp/common/about/jinji/30/20190315.pdf