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グローバル市場の大規模太陽光発電事業、今年も来年も、2ケタ成長へ。政府の政策支援とパネルコストの低下で、石炭やLNG火力発電より高い成長性を持続(RIEF)

2019-03-18 08:22:38

GS1キャプチャ

 

  大規模太陽光発電開発は日本市場では頭打ち感が出ているが、グローバルペースでは、引き続き2ケタ台の成長が見込めるとの推計が出た。米銀ゴールドマンサックス(GS)によるもので、2019年は前年比12%増の108GWに、2020年も10%増の119GWに達するとしている。コスト低下が最大の要因で、石炭やLNGの火力発電を超え、もっとも成長率の高い発電源と評価している。

 

 GSの推計の対象となった大規模太陽光発電設備は「Utility-scale solar power」と分類される。太陽光発電設備の増加が続くのは、パネルやインバーターなどの設備費のコストダウンが引き続き進んでいることと、温暖化対策で再エネ投資を支援する各国政府の政策や、再エネ投資を選好する企業需要の影響で順調な伸びが、今後も続くためという。

 

 市場成長率が高いのは、欧米、中東、中国の各市場。設置スペースを確保しやすい地域や、政府が強力な支援策を展開しているところが多い。日本の場合、政策支援の弱さが最大のウィークポイントといえる。

 

 その後は若干減速するが、2021年は8%増の129GW、22年は4.6%増の136GWと順調に増加をたどる見通し。「Utility-scale」は、全体の電力網に電力を供給する設備で、住宅の屋根置き型や、地域循環型の太陽光発電設備等は含んでいない。居住用太陽光発電設備等を含めると、グローバルな太陽光発電量は600GWに近づいている。

 

 エネルギーコンサルタントのウッド・マッケンジーの推計によると、太陽光パネルのコストは、1980年代は1W当たり70㌦だったが、米国では現在、同0.36㌦と0.5%の水準に低下している。政府の政策支援に加えたコストダウン、さらにはグローバル市場での太陽光事業大手のFirst Solar、Canadian Solar、 Vivint Solar、Longi Green Energy Technology、Tongweiなどが競い合って、各国で建設サイトを選んでいるのも市場拡大につながっていると、GSは指摘している。

 

 地域別では、中国市場が2018年後半に減速に転じていたが、ここ数カ月は需要が安定的に戻っており、今後、再び成長が見込める市場に仲間入りするとみている。

 

https://www.reuters.com/article/us-solar-power-goldman-sachs/large-scale-solar-power-set-for-double-digit-growth-goldman-sachs-idUSKCN1QV0GI