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P&G Japan、国内の海岸で回収した廃プラスチックからの再生容器使用の台所用洗剤55万本、発売へ。2030年には容器の海洋流出ゼロが目標(RIEF)

2019-11-07 11:28:32

P&G11キャプチャ

 

 P&G Japan(神戸)は、海洋プラスチック削減対策として、日本国内の海岸で回収された廃プラスチックから再生した容器を使った台所用洗剤を発売すると発表した。販売数量は55万本の予定で、今月9日から発売する。P&Gではすでに海外で同様の再生容器の活用を実施しており、2030年までにグローバルベースで、製品のプラスチック包装材の海洋流出をゼロにする目標を立てている。

 

 日本で海洋廃プラを原料とした日用品が消費者市場に登場するのは初めて。

 

 再生プラ容器は「Joy Ocean Plastic」と名づけ、台所用洗剤ブランドの「Joy」の容器として採用する。容器の耐久性を確保するため、容器全体の25%分の原料に再生プラを利用する。再生に際しては、リサイクルのエキスパートの米テラサイクルの協力を得て、全国の海岸での廃プラの回収から、再生ボトルの製造まで、全工程を日本国内で実施する。今回の再生ボトルの原料は、長崎県対馬市の海岸に漂着したごみを原料としている。

 

 同社では、「今回、製造する55万本は、一つの国での海洋プラスチックごみを利用した再生製品としては、世界最大の生産規模になる」と述べている。ボトルの中身は、現在発売されている製品と同じ。

 

会見するベセラ社長㊨
会見するベセラ社長㊨

 

  P&G Japan社長のスタニスラブ・ベセラ氏は「アジアはプラごみの海洋流出が多く、日本もプラ製品に依存している。業界代表として再利用の取り組みを示していく責任がある」と記者会見で語った。

 

 P&Gは、昨年、長期ビジョン「Ambition 2030」を策定、自社の「製品」「サプライチェーン」「社会」「社員」の4分野での環境サステナビリティ取り組みを、世界レベルで展開している。海洋プラスチック対策では、2030年までに自社製品のプラ容器の海への流出ゼロを目標に掲げている。

 

 今回の日本での再生プラ容器の使用に先駆けて、欧州では台所用洗剤の「Fairy」やヘアケア製品「Head & Sholders」で、北米ではヘアケア製品「Herbal Essences」で同様の再生容器を使っている。

 

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