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東京証券取引所、プロボンド市場の「グリーン・ソーシャルボンド・プラットフォーム」に第一号が上場。地方公共団体金融機構の5億ユーロのグリーンボンド(RIEF)

2020-02-14 15:28:03

JPX1キャプチャ

 

 東京証券取引所は13日、同市場のプロ投資家向け債券市場であるTOKYO PRO-BOND Marketに、地方公共団体金融機構(JFM)が発行した総額5億ユーロのグリーンボンドを上場したと公表した。プロボンド市場でのグリーンボンド上場は今回が初めて。

 

 東証は、2018年1月に、年金基金等の機関投資家のグリーンボンド取引を促進するため、プロボンド市場にグリーンボンド・ソーシャルボンドのプラットフォームを設定した。プロ投資家がグリーンボンド・ソーシャルボンドの取引をし易いようにすることで、グリーンボンド等のESG債の市場発展に寄与できるとの狙いからだ。

 

 今回、第一号で上場されたグリーンボンドは、JFMにとって初の発行。7年債、利率0.050%、応募者利回りは0.069%。スプレッドはミッドスワップレート+26bp。資金使途は、自治体向けに下水道処理設備事業のファイナンスおよびリファイナンス、将来の事業展開の資金として供給する。http://rief-jp.org/ct4/99184

 

 グリーン・ソーシャルボンド・プラットフォームが開設されているプロボンド市場は、2011年5月に新設されたプロ投資家向けの債券市場として知られる。海外市場で一般的な社債発行形態であるプログラム上場や英文のみでの情報開示が可能で、海外の発行体等も日本の投資家にアクセスし易い環境を整えている。

 

 海外では、ルクセンブルグが独自にグリーンボンド等の専用の取引所(LGX)を設定しているのをはじめ、ロンドン、香港、シンガポール等が、グリーンボンドやサステナビリティボンド等の専用上場区分を設けている。国際的なESG債の上場市場競争が始まっており、東証もようやく第一号の上場銘柄の登場で、競争に参画することになる。

 

 今回のJFMの上場はユーロ建てだが、発行体は国内機関で、これまでも日本市場で一定の債券発行実績のある「優良銘柄」。今後は、国内勢の外貨建てESG債のほか、海外企業のグリーンボンド発行時に、海外上場と同時上場で日本の投資家にアクセスする動きが高まることが期待される。

 

https://www.jpx.co.jp/news/1070/20200213-01.html