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世界的企業の79人のCEOグループと、総資産41兆㌦の457機関投資家グループ、G7サミットに向け、義務的情報開示の設定と、化石燃料補助金廃止等を一致して要請(RIEF)

2021-06-10 22:45:47

G7001キャプチャ

 

 世界経済フォーラム(WEF)が組織する世界的企業のCEOら79人と、合計41兆㌦の資産規模を持つ457の機関投資家が、それぞれ11日から英国で開催される主要7カ国(G7)首脳会議に向けて、温室効果ガス排出量削減に向けて、積極的な対策を打ち出すよう求めた。このうちCEOグループは、カーボンプライシングの導入を、投資家グループはパリ協定に沿った国別対策貢献(NDCs)を「1.5℃目標」に合致するよう強化することを、それぞれ求めた。さらにTCFD提言に沿った義務的な気候情報開示等を求める点では一致した。

 

 CEOグループは公開書簡で、「将来の排出削減に合致する現在の『大胆な行動』」を呼びかけた。温室効果ガスの排出減となる企業の行動を変えるため、各国政府は市場ベースのカーボンプライシングメカニズムの導入を含む「ゲームのルール」を変更すべきとした。

 また、すべての企業に対して企業活動のすべてをカバーする温室効果ガス排出量の情報開示と、「信頼できる『脱炭素化目標』」の設定をともに義務化するよう求めた。このほか、化石燃料への補助金の廃止、気候対応に良好な製品等への関税削減、グリーン技術の研究開発資金の促進等を求めた。

 一方、投資家グループは、11月のCOP26までに5つの優先行動をとるよう求めた。

①パリ協定の目標達成のための「各国で決める貢献(NDCs)」について「1.5℃目標」の達成と整合するよう強化する

②今世紀半ばまでのネットゼロ目標の設定と、炭素集約型産業の明確な脱炭素ロードマップを含む野心的な中間目標の設定

③目標達成のための国内対策の実施

④新型コロナウイルス感染からの回復計画で、ネットゼロへのトランジション(移行)とレジリエンスの強化を確実にする

⑤TCFD提言に適合する義務的気候情報開示の実施の公約

 

 このうち③の国内対策としては、期日を定めた化石燃料補助金の廃止、「1.5℃目標」と整合する期日を定めた石炭火力発電の廃止、新規の石炭火力発電等の新規のインフラ建設の回避、気候変動の影響を受ける労働者やコミュニティでの公正な移行計画の展開、等をあげた。

 

 CEOグループと投資家グループの要求には対立事項はなく、明確な目標の設定や、義務的気候情報開示、化石燃料補助金の廃止等は共通事項となった。ただ、ウエイトの置き方が微妙に異なる点もある。CEOグループが求めるカーボンプライシングの導入は企業の活動を市場ベースでの対応に委ねるもので、競争力を前提とする。投資家グループが提案する、脱炭素化で影響を受ける労働者やコミュニティ対策は社会的側面への配慮を求めるものだ。

 https://www.iigcc.org/news/over-450-investors-managing-41-trillion-in-assets-tell-governments-to-get-climate-policy-right-and-massive-investment-will-flow/

https://www.yahoo.com/entertainment/ceos-investors-push-world-leaders-041441649.html