青森県、全国初の風力・太陽光等の再エネ発電設備の立地規制(ゾーニング)導入の条例案公表。県内を3区分。保護区域では設置認めず。再エネ課税も導入。来年2月に議会提出(RIEF)
2024-12-20 14:43:17
(写真は、県内にある東北電力の七戸十和田風力発電所)
青森県は19日、県内での太陽光発電や陸上風力発電事業の設置について、促進地域と設置を認めない地域等に分けるゾーニング条例案を公表した。同県は、風力発電の発電では国内有数の「再エネ県」だが、発電電力の多くが都市部での利用に使われるほか、設置地域での景観悪化等の課題が出ていることから、立地規制を導入することとした。都道府県レベルで再エネ設備の立地規制と再エネ課税を同時に導入するのは全国で初。県では来年2月に関連する条例案を議会に提出する方針だ。
県が想定するゾーニング条例案では、県内を再エネ事業の設置を促進する「共生区域」と、同事業の設置を原則禁止する「保護区域」、中間的な「調整区域」に区分する。
「共生区域」は基本的に同設備の設置は認められる。設置に際しての地域住民等との合意形成手続き等を整備する。「保護区域」は、世界自然遺産などが含まれる特別な保護地域で、再エネ事業の設備の設置は基本的にできない。「調整区域」は、「共生」と「保護」の中間的存在。市町村からの申し出等の手続きを経て、知事が共生が図られると認める場合は「共生」に移行し、再エネ導入が可能になる。
「共生区域」で設置が認められる再エネ事業については、非課税として再エネ促進を図る。これに対して、「調整区域」内で事業を認められる場合は、出力1kW当たり太陽光発電で110円、風力発電で300円を課税する。再エネ事業への課税は、宮城県に続く。
県が認めないのに企業が事業化を強行した場合は、5万円以下の過料を科す罰則を設ける。特に保護、保全地域で事業を強行した場合は、出力1kW当たり太陽光で410円、風力で1990円を科す。これらの課税は、用途が限定されない「法定外普通税」で、再エネ施設の総発電出力に応じて所有者に課税する。調整区域以外の保全区域と保護区域で操業が認められる場合はそれぞれ410円、1990円を課税する。既存の施設は課税対象外だが、建て替えなどの場合は、課税する。
県は、来年2月の県議会に提出する関連2条例案が可決されれば、25年度中に施行する方針としている。ただ新税の導入については総務相の同意が必要になる。宮下宗一郎知事はメディアに対して 「保全地域と保護地域はこれくらいの税率であれば事業の実施は、事実上、ほとんど困難。青森の美しい自然環境を次の世代にしっかりと残すことが大きな役割だと考えている」としている。
同県が再エネ事業のゾーニングを導入する引き金となったのは、観光地として知られる八甲田山系周辺での風力発電計画の浮上だった。事業者の当初計画では約1.7万㎡の敷地に高さ最大200mの風車約150基を建設する大規模な構想だった。2023年の県知事選挙位で、宮下現知事は、計画の白紙撤回を公約して当選したことから、同事業は中止となった。県内では他にも風力発電計画があるが、地元住民らから反対の声が上がっている。
青森県が都道府県レベルで初の立地規制を含むゾーニング条例案の提案を目指す背景には、県内で開発された再エネ発電の電力が結果的に都市部の電力に充当され、県内へのプラス効果が薄く、その上に景観破壊や土砂崩れ等のリスクを高める点への住民の反発があることが大きい。
一方で、同県には、原発や核燃料サイクル関連の施設が集中している。これらの原発関連設備の場合、国から交付金や核燃料税などが地元自治体に配布されることから、安全面でのリスクはあるものの地元への利益還元という点では、再エネよりも重視されるという構造になっている。
https://digital.asahi.com/articles/ASSDL33XVSDLUBNB002M.html
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOTG315JT0R31C24A0000000/

































Research Institute for Environmental Finance