HOME5. 政策関連 |環境省のCCS事業委託業務で、経費の水増し請求、無断再委託を15年間続けた関西電力の100%子会社。社外弁護士の調査結果公表。15年前の委託当初から「水増し請求」総額約4億円(RIEF) |

環境省のCCS事業委託業務で、経費の水増し請求、無断再委託を15年間続けた関西電力の100%子会社。社外弁護士の調査結果公表。15年前の委託当初から「水増し請求」総額約4億円(RIEF)

2025-05-04 23:48:05

スクリーンショット 2025-05-04 234525

 

 昨年9月に、関西電力の100%子会社の「KANSOテクノス」(大阪市)が環境省のCCS委託事業で費用を水増し請求していた問題で、同社は社外弁護士による調査結果を2日、公表した。それによると、費用水増しは、2008年の事業委託当初から始まっており、同社の書類の保存保管期間の2013~2023年度の7年間だけで約2億3089万円を不正請求して受領していたという。同省に無断で再委託した金額は同期間で約3億4000万円に上る。同社は、今回の調査結果を踏まえ、環境省と協議して不正受領分を返還するとしているが、2008年度から2012年度分も同様の水増し請求をしていたことは確認されており、その分も同様の「水増し率」とすると、約1億6000万円となり、合計約4億円を、環境省を「騙して」税金を掠め取っていたことになる。

 

 CCS委託費用の「水増し請求」問題は、「KANSOテクノス」の環境部および東京支店が、同受託事業において、実際には従事していない従業員が、当該事業の一部を実施したかのように装い、虚偽の作業日誌を作成して人件費を請求している、との内部通報があり、昨年9月に公表された。https://rief-jp.org/ct5/148774?ctid=

 

 今回、同社は昨年6月末から今年3月末にかけて関係者を対象として実施した社外弁護士による調査結果を5月2日に公表した。ただ、「騙された」側の環境省は、同日に本件についての発表はしていない。同社の社外弁護士調査の結果をどう評価するのか、行政として独自の調査を行うのかどうかも不明だ。

 

 同社の調査で、15年間も同社から「騙され続けていたこと」が明らかになったわけで、委託審査をする担当課の責任もゼロではないはずだ。歴代、担当課は「ぼんやり」と騙され続けたのだとすれば、同組織の存在価値も問われる。あるいは、「KANSOテクノス」が、担当課を“篭絡”して水増し請求を続けていたとすれば、贈収賄の疑念も生じてくる。同省は国民の税金を預かって、行政を実施しているという基本の立場を踏まえ、同社の調査を丸飲みするのではなく、自らへの嫌疑も晴らすためにも、撤退した調査と、迅速な国庫金の回収を行うことが求められる。

 

 公表された社外弁護士の調査文書(要約)によると、昨年9月に本件が明らかになった時点で、①2023年度のCCS業務の人件費及び業務費(機器損料、再委託費等)の費目間での付け替え②契約金額と請求金額が合致するよう調整③環境省に請求した機器損料の一部は、自社の機器ではなく、協力会社の保有機器を計上して費用額を上乗せ④環境省に無断で業務の一部を協力会社に再委託していたーー等がわかっている。

 

 加えて、今回の調査では次のようなことが明らかになったとしている。

 

 ①水増し請求は、CCS業務を初めて受託した2008年度当初から実施していた

 ②その内訳では、自社が保有していない機器についての機器損料も請求。遅くとも2011年度以降は、契約金額と請求金額が合致するよう同社サイドで調整した

 ③同社の環境部及び東京支店の利益を確保する目的で実施した

 ④行政事業レビューの対象となった2013年度以降は再委託の承諾申請を行わず、実態のない人件費・機器損料に振り替えて報告・請求した

 ⑤委託事業に従事した従業員の従事時間報告書には、本件業務には全く関与していない従業員の従事時間や、実際の作業実態とは異なる内容の作業時間等を報告書に含めていたーー等。

 

 報告書では水増し請求の総額について、同社の社内規定による書類の保存期限(7年間)を対象として、2017年度~2023年度の7年間で約2億3089万円とはじいている。環境省に無断で再委託した費用については合計3億4360万円だったとしている。7年間の総契約額は18億265万円で、国庫への返還額の対象については明確に記載していないが、再委託分を費用として認めてもらい、意図的な水増し費用分は返納する考えのように読める。

 

 しかし、再委託分は同社が無断で外注したもので、委託事業の費用に計上するのは契約上、無理が生じる。さらに、水増し請求は今回の調査対象期間の7年だけでなく、2008年からの15年間であることは調査でも確認していることから、15年間の水増し請求額と、それに対する違約責任を問う罰金、今後の委託契約からの除外などの行政処分を検討する必要がある。

 

 同社自体は、調査結果を踏まえて、岡田達志社長ら役員3人の月額報酬を20%減額(2~3カ月間)するとしている。15年間も意図的に経費を水増しし、無断で再委託したことへの「謝罪」が役員3人の報酬の一部を2~3カ月分だけ減らす処分で一件落着させようということのようだ。環境省も足元を見られたものだ。

                            (藤井良広)

https://www.kanso.co.jp/news/article.html?itemid=74&dispmid=721&TabModule732=0

https://www.kanso.co.jp/Portals/0/%E3%80%90%E5%88%A5%E7%B4%991%E3%80%91%E4%B8%8D%E9%81%A9%E5%88%87%E4%BA%8B%E6%A1%88%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%B3%E3%81%AB%E5%86%8D%E7%99%BA%E9%98%B2%E6%AD%A2%E7%AD%96%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf

https://www.kanso.co.jp/Portals/0/%E3%80%90%E5%88%A5%E7%B4%992%E3%80%91%E5%BD%B9%E5%93%A1%E3%81%AE%E5%A0%B1%E9%85%AC%E6%B8%9B%E9%A1%8D%E7%AD%89%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf