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米プロバスケットボールNBAのスタープレイヤー、ヤニス・アデトクンボ選手。世界のサステナブル企業に投資するETFを立ち上げ。市場の「グリーンウォッシュ懸念」を一掃する(?)(RIEF)

2022-09-04 01:33:33

 

  米プロバスケットボールNBAのスーパースターで、2021年のMVPを獲得したヤニス・アデトクンボ(Giannis Antetokounmpo)選手が、ESG重視の世界のサステナブル企業に投資する上場投資信託(ETF)を立ち上げ、話題を集めている。タバコや兵器、アルコール、動物実験等の事業収入が5%超の企業は投資から除外するなど、「グリーンウォッシュ」を排する投資姿勢を打ち出しているが、コート上と同様にゴールを量産できるかどうか。

 

 立ち上げたETFファンドは 「The Calamos Antetokounmpo Sustainable Equities Trust」。アデトクンボ選手が所属するミルウォーキー・バックスの本拠であるイリノイ州に拠点を置くETF投資企業のカラモス・アドバイザーズ(Calamos Advisors)との共同作業。ミルウォーキー・バックスは昨年、NBAで優勝、アデトクンボ選手も2度目のMVPを獲得したスタープレイヤーだ。

 

 同選手は、ギリシャのアテネで、ナイジェリアの移民の子として生まれた。貧しい環境の中、観光客にハンドバック等を路上で売るなどで生計を立てていたという。13歳でバスケットを始め、すぐに頭角を現わし、存在を知られるようになった。18歳でミルウォーキー・バックスからドラフト指名を受けてNBA入りした。

 

2021年のMVPを獲得したアテンボルト
2021年のMVPを獲得した「グリーク・フリーク」

 

 「グリーク・フリーク(ギリシャの変人)」の愛称で親しまれ、攻撃、防御、3ポイントシュート等と、オールラウンドプレイヤーとして活躍中だ。渡米して間もなくは、コートでの活躍で得た資金を、50以上の異なった銀行口座に預けていた(預金保険の限度額以下として)という。それが今や、自らが世界の企業を投資対象とするETFファンドを立ち上げるまでになったわけだ。

 

 新ファンドに同選手がいくら出資するのかは明らかにされていない。ファンドの運営は、共同投資会社のカラモス・アドバイザーズの共同シニア副社長のJames Madden氏とAnthony Tursich氏が担当する。両氏は2021年に400億㌦超の資産を運用しており、昨年12月には「Calamos Global Sustainable Equities Fund」を立ち上げている。

 

 ESGファンド商品は米国市場で成長を続ける一方で、ESG評価や情報開示の不十分性から、「グリーンウォッシング」の懸念も広がっている。証券投資委員会(SEC)も規制強化を検討している。こうした環境下で、アデトクンボ選手の名前を冠したサステナビリティ重視のETFファンドは、外部の第三者機関による格付任せとはせず、自ら「厳格なESGクライテリア」に基づいた内部格付を実施、投資先企業を選別するとしている。

 

 ファンドの投資クライテリアには、生態系・環境基準を設けるとともに、社会面、人権面への配慮項目も盛り込むという。さらにネガティブスクリーニングとして、タバコや、兵器、アルコール、動物実験、金属、鉱業等の事業活動からの収入が5%超の企業は除外するとしている。

 

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-08-29/nba-investor-greek-freak-giannis-antetokounmpo-lends-name-to-new-etf?sref=FPGFpGV3

https://www.etf.com/sections/features-and-news/nba-star-antetokounmpo-help-launch-esg-fund

https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1943291/000110465922094062/tm2223398d2_n1a.htm