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アジア開発銀行(ADB)インドの電力網高度化投資で、アジアインフラ開発銀行(AIIB)と共同融資。4件目の連携。グリーンインフラ建設資金供給者としてのAIIBの役割高まる(RIEF)

2017-09-29 14:27:26

ADB1キャプチャ

 

 アジア開発銀行(ADB)はインドで展開している太陽光発電の電力をインド全土に配電する電力ネットワーク整備事業への追加ファイナンスで、中国主導のアジアインフラ開発銀行(AIIB)と共同融資(co-finance)することで合意した。ADBとAIIBの共同融資は4件目。アジアでのグリーンインフラ建設での共同歩調が定着してきた。

 

 ADBは2015年12月以来、インド政府とともに、インド西部と南部の地域間電力網の建設と更新と、北部地域での太陽光発電や風力発電の再エネ電力を送電する高圧電力網および配電設備等の建設を進める「Green Energy Corridor Initiative」を推進している。

 

 ADB同事業のため、インド政府の保証付き5億㌦の融資や、国営送電会社のPower Grid Corporation of India Limited (POWERGRID)への追加の5億㌦などを実施してきた。しかし、さらに地域での電力需要が旺盛なことから、Tamil Nadu での400kVの送電能力を、 Pugalur 地方に長距離電力網を通じて接続する拡大計画を支援することになった。

 

 これらの追加資金需要に対応するため ADBは、これまでの融資額の運用で5000万㌦を追加供給するほか、AIIBからco-financeの形で1億㌦の融資を受けることになった。AIIB理事会も資金拠出を承認した。全体の追加資金拠出額は3億350 万㌦になる。残りの資金は POWERGRIDが負担する予定。

 

 ADB南アジア局のエネルギー担当局長のPriyantha Wijayatunga氏は「インドでのAIIBとの協調融資が実現することを歓迎する。これによって、より多くの人々にクリーンエネルギーを届けることができ、インドが再エネ目標を達成することをサポートすることができる」と評価している。

 

 Wijayatunga氏は、「今後、AIIBとのパートナーシップの範囲を拡大できることを期待している」とも語った。ADBとAIIBの共同融資は2016年6月にパキスタンの高速道路M4の建設事業で、双方が1億㌦ずつ拠出したのが最初。以後、バングラデシュでの天然ガス生産と輸送事業にADBが1億6700万ドル、AIIBが6000万㌦、ジョージアの 第二の都市であるバトゥミでのバイパス道路建設に両者がともに1億1400万㌦ずつ拠出している。

 

 これまでの3つのプロジェクトはADBが基本的に管理・運営するプロジェクトに、AIIBが支援する形での連携だった。これに対して、今回のインドでの共同融資では、co-finance協定に基づいて対等の融資体制をとる。アジアでのグリーンインフラへのファイナンス機関としてのAIIBの役割が定着してきたといえる。

https://www.adb.org/news/adb-expands-clean-energy-project-india-aiib-cofinancing