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ドイツの住宅ローン金融事業者、グリーン住宅等向けのローン資金調達で、「ESGファンドリーフ」発行。5億ユーロ。多様化するグリーンボンド(RIEF)

2018-10-26 22:42:20

Munchenerhypo

 

 ドイツの住宅ローン銀行の Munchener Hypothekenbank (MunchenerHyp)(本部・ミュンヘン)は、ドイツ国内でのグリーン住宅ローンと、主要欧州諸国でのサステナビリティ認証証書付き商業不動産向けローンの資金調達のため、5億ユーロ(約640億円)の「エコロジカルESGファンドリーフ債」を発行する。

 

 ファンドブリーフは、ドイツで発行される住宅ローン債権を裏づけ資産とする債券。カバードボンドの一種で、社債より信用力が高く、国債や公債につぐ信用力の金融商品と位置づけられている。

 

 MuenchenerHypは、ESGファンドブリーフを2014年9月に初めて発行しており、今回は、ほぼ4年ぶりの発行となる。4年前はドイツ国内の住宅ローンのリファイナンスローンの調達で、規模は3億ユーロだった。

 

 今回発行するESGファンドブリーフ債は、期間5年、資金使途は、グリーンボンド等と同様、グリーンビルディングやグリーン住宅等への貸付資金に充当する。グリーン住宅ローンは主にドイツ国内での融資に、グリーンビルディング向けは、ドイツのほか、英、オーストリア、オランダ市場で提供する。

 

 債券にはドイツのESG評価機関のISS-oekomが、グリーンボンドの国際市場基準である「グリーンボンド原則(GBP)」への適合性を評価するセカンドオピニオンを付与している。

 

 現在、MuenchenerHypは引受証券会社を通じて、投資家向けの説明会(ロードショー)を展開中。その中で、今回のESGファンドブリーフ債について、「投資家ベースを拡大し、競争優位性を確保するため」と説明しているという。グリーンボンドや社会的責任投資を重視する投資家向けにターゲットを絞っているようだ。

 

 引き受け主幹事は、ドイツ信用協同組合中央金庫(DZ Bank)のほか、ABN Amro(オランダ)、HSBC(英)の3金融機関が担当する。

 

 ESGファンドブリーフはグリーンボンドの一種とみなされ、主に欧州の機関投資家のESG投資対象として位置付けられている。ドイツにはこのほか、銀行借入証書であるSchuldscheinもグリーン化が進んでいる。欧州市場では、グリーンCPやノートも発行されており、グリーンボンドの多様化が進んでいる。

https://www.muenchenerhyp.de/de/