HOME6. 外国金融機関 |今年のグローバル市場でのグリーンボンド発行額(1~8月)、1500億㌦台に乗せる。昨年より2か月以上早く達成。年間では初の2000億㌦台乗せも視野に(RIEF) |

今年のグローバル市場でのグリーンボンド発行額(1~8月)、1500億㌦台に乗せる。昨年より2か月以上早く達成。年間では初の2000億㌦台乗せも視野に(RIEF)

2019-09-06 22:22:40

1CBI調べキャプチャ

 

   今年のグリーンボンドの発行額が1~8月でグローバルベースで1500億㌦(15兆9000億円)台に乗せた。昨年1年間の発行額は1700億㌦だったので、昨年実績を上回るのは確実で、年間で初の2000億㌦台に乗せる公算も強まっている。

 

 (図表は、CBIのグリーンボンド市場の今後の展開予想)

 

 1~8月の発行額の推計は、Environmental Finance 誌が1512億㌦、Climate Bonds Initiative (CBI)が1504億㌦となった。2007年にグリーンボンドが最初に発行されて以来、累計の発行額は7000億㌦を超えた。

 

 昨年同月比では34.5%増と堅調。昨年1500億㌦台に乗せたのは11月8日だったから、2か月以上も早いペースだ。

 

直近3年間の月別グリーンボンド発行額の推移
直近3年間の月別グリーンボンド発行額の推移

 

 今年の発行額で最大規模は、オランダ政府によるグリーンボンド国債60億ユーロ(約7000億円)。次いでドイツの復興開発公社(KfW)が5月に発行した30億ユーロ、4月のChina Three Gorges(中国長江三峡集団)の200億人民元(約30億㌦)などが続く。https://rief-jp.org/ct4/90096

 

 今年1月以降の月別の発行額をみると、3月以外は毎月、ほぼ過去最高の発行額になるなど、安定的な発行が続いている。月別では5月の発行額が282億㌦と最も多く、5、6、7月の3カ月連続で毎月200億㌦規模の発行が続いた。8月は夏休みで市場全体の動きがあまりなかったが、それでも前年同月比9.8%増の77億㌦だった。

 

 5~7月に集中的な発行があったのは、6月にEUのサステナブルファイナンス行動計画のタクソノミー案や、EUグリーンボンド基準案等が公表され、グリーンボンド発行への関心が高まったことも背景としてあるようだ。

 

 年初の各機関による予測では、格付機関のMoody’sとS&Pが、それぞれ年間2000億㌦(前年比約20%増)、1800億㌦(同8%増)との予測を公表していた。最近は各機関とも、予測を上方修正し、2000億㌦~2500億㌦と過去最高水準に達するとの見方が大勢を占めている。https://rief-jp.org/ct6/86821

https://www.climatebonds.net/