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英国のエクスティンクション・レベリオン(XR)、環境NGOのWWFが、アフリカでの自然保護活動で現地住民の強制立ち退きに関与している、として、英本部を占拠する抗議活動(RIEF)

2021-09-02 15:41:41

WWF0011キャプチャ

  温暖化進展や生物多様性の喪失等に不服従行動で抗議する英国のエクスティンクション・レベリオン(Extinction Rebellion:XR)が、環境NGOの世界自然保護基金(WWF)の英本部を占拠、抗議を展開している。アフリカのケニア等で、WWFが関係する自然保護活動の影響で、現地住民が強制立ち退きを受けていることへの抗議という。XRは「『グリーンウォッシュ』に抗議する」としており、企業との連携行動等にも積極的で、グローバルに影響力のあるWWFが「抗議される側」になった形だ。

 (写真は、WWFの本部を占拠したXRのメンバーが、抗議声明を読み上げている場面)

 XRは非暴力、不服従による大胆な抗議行動を展開することで知られる。今回も先月末から、ロンドン市内の繁華街で座り込み等を展開、ロンドンブリッジ等を占拠し、交通マヒを引き起こすなどの活動を実施した。このうちグループの一部が31日、ロンドン郊外のWorkingにあるWWFの本部に向かい、アフリカの原住民との連帯行動としてWWFへの抗議行動を展開した。

 XRの12人の活動家は、WWFの本部オフィスに侵入して占拠。WWFが現地の住民たちとの対話を約束するよう要求し、立て籠もった。グループは、2日目の1日になってもオフィス内に籠城しているという。

 XRによると、ケニア、タンザニア、カメルーンの各地で、WWFが関与する自然保護活動の結果、現地で農業生活をする住民たちが住み慣れたコミュニティからの退去を強いられているという。自然を保護するために、住民を強制退去させることへの抗議だ。

 住民たちが農業のために原野等を開拓することと、動物たちの保護区域を守ることが対立状況になっているとみられる。XRのスポークスパーソンは「WWFが原住民の土地と人権を真に支援するならば、自らのグローバルな影響力を使って、現地で起きていることに対処すべきだ。少なくとも、現地で住民たちと話し合いに臨むべきだ」と要求している。

 メンバーの一人はメディアに対して「われわれは政府と企業のグリーンウォッシュに抗議するためにここに来た。『保護』という言葉の意味を、常に間違って人々に強いることが起きるが、われわれはこれを止めねばならない」と強調している。

 WWF側は「コミュニティは、常にわれわれの活動の中心。 われわれはグローバルな機関として、いかに人権課題を自然保全に組み込むかという取り組みを強化している。われわれは、どんなところでも、コミュニティと、その住民が属する自然を守るために活動していく」とコメントしている。ただ、XRが要求する現地住民との対話に臨むかどうかについては言及していない。

 国連のサステナブル開発目標(SDGs)等の活動に、どのステークホルダーが貢献しているか、という調査で、最も評価が高かったのはNGO。そのうちの個別のNGO評価では、WWFが41%の支持を集め、最も高い評価を得ている。2位はグリーンピース(17%)、3位は世界資源研究所(WRI)の11%。https://rief-jp.org/ct7/116984

https://www.theguardian.com/environment/2021/sep/01/wwf-office-sit-in-enters-second-day-as-xr-keeps-up-london-protests

https://www.lbc.co.uk/news/extinction-rebellion-protesters-target-wwf-headquarters-in-latest-demonstration/