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NGOフェアファイナンスガイド・ジャパン、2022年版の銀行・保険スコア公表。銀行部門は農林中央金庫、保険部門は第一生命保険が、それぞれ前年同様に最高スコア(RIEF)

2021-12-13 15:18:06

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 NGOのフェアファイナンスガイド・ジャパン(FFGJ)は2022年版の日本の銀行、保険会社の評価スコアを公表した。同団体の評価は、気候変動、人権、労働等の16項目について、銀行部門、保険部門とも、前年同様、農林中央金庫と、第一生命が連続して最高スコアを得た。

 

 フェアファイナンスガイドは、Oxfamが中心になって銀行等の金融機関の環境、社会、人権基準等へのコミットメント強化を求める活動。現在、日本以外にドイツ、オランダ、ベルギー、タイ、インド、ベトナム等13か国で活動している。

 

 FFGJの発表によると、対象とした国内金融機関は、銀行が7機関、保険が8機関。銀行部門でのスコア一位は前回に続いて農林中央金庫(3.8)。保険部門も同様に、前回一位だった第一生命(3.7)。

 

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 農林中金は、兵器産業セクターに関する方針を新設したほか、新たに核兵器、生物・化学兵器、対人地雷の製造を資金使途とする投融資禁止を表明したこと等でスコアを伸ばした。第一生命は、投資先とのエンゲージメントで労働、人権、ダイバーシティへの対応等を重点的なテーマに設定しスコアを伸ばした。

 

 3メガバンクは、みずほ(3.5)が農林中金に次ぐ二位のスコア(三井住友信託も同様)で最も高く、三井住友(3.2)、三菱UFJ(3.0)の順。保険ではMS&AD(2.9)が二位で、日本生命(2.6)が続く。

 

 最下位は銀行部門で、ゆうちょ銀行(1.1)、保険部門で、かんぽ生命(1.1)と東京海上(1.1)だった。

 

 注目されるのは、こうした格付・スコアリングが各金融機関の環境・社会的取り組みの実態を映しているかどうかだ。評価方法論を提供するフェアファイナンスガイド・インターナショナル(FFGI)によると、中心となる評価項目は気候変動、汚職、人権、労働権、自然、税、武器、透明性、ジェンダーの9項目。それ以外に、動物愛護や食料、森林等の地域ごとのオプション項目を組み合わせて評価する。

 

 評価の基準は、各分野の国際基準に照らして、対象金融機関がどのような自社方針等を明確に示しているか等の有無を評価して点数を付ける。現在、採用している国際基準は対象項目すべて合わて422件に達するとしている。各項目での基準対比の配点方法は、HPを見る限り不明だ。

 

 評価対象となる各金融機関が、これらの基準への適合・賛同・署名等を行う件数が多いほど、スコアが高くなるとすれば、多くの基準に署名・賛同するインセンティブを生むかもしれない。ただ、署名・賛同表明だけにとどまらず、それらをどう実践しているかという点がスコアに反映させる必要があるが、そうした評価がなされているかどうかはよくわからない。

https://fairfinance.jp/news/2021/20211208/

https://fairfinance.jp/media/497457/2020ffgi_scoring_jp.pdf

https://fairfinanceguide.org/ff-international/home/