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国軍による人権弾圧が続くミャンマーで、事業活動中の日本の主要4社の株主に対し、人権NGOらが国軍を利する活動の排除を求めるエンゲージメント要請。応じない場合は投資引き揚げも(RIEF)

2022-01-24 13:50:50

クーデター前のティラワ特別地区の開発状況

 

  昨年の軍事クーデーター以来、人権弾圧が続くミャンマーから欧米企業の撤退が起きているが、同地で展開する日本の主要4社の株主に対しても、国内の人権団体等が、関与する事業が国軍の資金源となり人権弾圧につながっているとして、投資先企業に向けて、国軍を利する活動を排除し、十分な措置が取られない場合は、投資引き揚げ(Divestment)も検討するよう公開書簡を送付した。

 

 (写真は、クーデーター前のティラワ経済特別特区の開発状況)

 

 対象となった企業は、ENEOS、住友商事、丸紅、三菱商事の4社。4社が関与するのは、ティラワ経済特別区開発、イェタグン・ガス田開発、ランドマーク事業(ヨマ・セントラル・プロジェクト)、ティラワ港湾ターミナル事業の4事業。NGOらはこれら4事業の主要主体となっている4社の主要株主125社に対して要請書を送付した。

 

 日本企業が多く進出しているティラワ特区事業には、住友商事、丸紅、三菱商事の3社が主要事業主体となっているほか、ミャンマー政府のティラワSEZ管理委員会が10%を共同出資している。同委はクーデーター後、国軍が掌握しており、事業の配当金の一部が国軍に流れている可能性があるという。

 

 イェタグン・ガス田開発はENEOSの100%子会社のJXミャンマー石油開発が19.3%を出資。国軍が実効支配をするミャンマー石油ガス公社(MOGE)も20.5%を出資している。ガス田開発については、仏トタルエナジーと米シェブロンが先日、MOGEと共同開発を進めてきたヤダナ・ガス田について、国軍への資金流出懸念を払しょくできないとして同事業からの撤退を発表している。https://rief-jp.org/ct10/121777

 

 他のランドマーク事業は三菱商事等による日本勢が主導する特別目的会社(SPC)が事業主体、ティラワ港湾ターミナル事業も、住友商事などが出資する日本SPCが35%を所有している。いずれも国軍が事業に関連する関係省庁を実効支配しており、土地の賃料や港湾の使用料等が国軍に流れている可能性があるとされる。

 

 要請書では「4社は、ミャンマー国軍による暴力や人権侵害等に対する一般的な懸念を示してはいるものの、ミャンマーにおける自らのビジネス活動が国軍による深刻な人権侵害に加担するリスクを回避する具体的な計画は公式に表明しておらず、ビジネス活動の方針変更などの計画も発表していない」と指摘している。

 

https://foejapan.org/aid/doc/220121_myanmar.html

http://www.mekongwatch.org/report/burma/mbusiness/20220118Letter_Jp.pdf