HOME |2022年の株主総会での気候変動関連の株主提案、日本企業5社に合計9件。過去最多を記録。環境NGOは3年連続、海外機関投資家も提案(RIEF) |

2022年の株主総会での気候変動関連の株主提案、日本企業5社に合計9件。過去最多を記録。環境NGOは3年連続、海外機関投資家も提案(RIEF)

2022-06-30 18:17:25

SMBC001スクリーンショット 2022-06-30 181253

 

  今年の株主総会で気候変動関連の改定を求める株主提案は、日本企業5社に対して、合計9件の提案が出され、過去最多だったことがわかった。環境NGOによる、三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)等4社への提案に加え、仏資産運用機関アムンディ等の主要な機関投資家も電源開発(Jパワー)に対して脱炭素への対応強化を求める提案を実施した。いずれの提案も10~30%前後と一定の賛成比率を得ており、株主が投資先の企業経営の変革を求める流れは広がっているといえる。

 

 環境NGOの豪マーケット・フォース、気候ネットワーク、350.org Japanの各団体と個人による気候変動対策の強化を求める株主提案は、SMBCのほか、三菱商事、東京電力ホールディングス、中部電力の4社に対して提出された。これとは別に、アムンディと英マン・グループ、英銀系のHSBCアセットマネジメントの3機関投資家が、Jパワーに対して、2050年カーボンニュートラルを達成するために、短期・中期の目標を明記した事業計画野策定と公表等を求める3件の提案を行った。

 

 環境NGOによる日本企業への株主提案は3年連続で、機関投資家による提案は初めて。株主提案の成果として、2020年、気候ネットワーク(KIKO)がみずほフィナンシャル・グループに対して初めて行った株主提案の後、みずほは日本の銀行として初めて2050年までの石炭火力フェーズアウト目標(後に2040年に変更)を設定。他の2メガバンクもこの動きに追随した。

 

 また豪マーケット・フォースが2021年に提案を行った住友商事は、その後、石炭火力に関するポリシーを改善し、今年2月には同社が主導してきたバングラデシュのマ事業リ2石炭火力発電所事業の撤退につながった。昨年、350.org Japan等が提案した三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2050年までにポートフォリオ全体でネットゼロを目指すことを発表し、日本の銀行として初めてネットゼロバンキングアライアンスへの参加を表明した。

 

 環境NGOらは、株式提案に加え、対象となった銀行等との間で直接対話を重ねるエンゲージメント活動等の成果が出たと評価している。

 

350001スクリーンショット 2022-06-30 153711

 

参考資料

三菱商事 株主提案原文 (JP/EN)

三菱商事 投資家向け説明資料 (EN)

三菱商事 投資家向け説明資料 (JP)

三菱商事 投資家向け説明資料, アップデート (EN) 2022年5月

三菱商事 投資家向け説明資料, アップデート (JP) 2022年5月

中部電力 株主提案原文 (JP/EN)

東京電力 株主提案原文 (JP/EN)

東京電力HD/中部電力 投資家向け説明資料(EN)

東京電力HD/中部電力 投資家向け説明資料(JP)

東京電力HD/中部電力 投資家向け説明資料 アップデート (EN) 2022年5月

東京電力HD/中部電力 投資家向け説明資料 アップデート (JP) 2022年5月

三井住友フィナンシャルグループ 株主提案原文 (JP/EN)

三井住友フィナンシャルグループ 投資家向け説明資料 (EN)

三井住友フィナンシャルグループ 投資家向け説明資料 (JP)

三井住友フィナンシャルグループ  投資家向け説明資料, アップデート (EN) 2022年5月

三井住友フィナンシャルグループ  投資家向け説明資料, アップデート (JP) 2022年5月