HOME7.金融NPO |ずさん震災事業のNPO「大雪」が 破産手続き 負債総額5億6000万円 東京地裁(河北新報) |

ずさん震災事業のNPO「大雪」が 破産手続き 負債総額5億6000万円 東京地裁(河北新報)

2013-05-16 14:59:35

山田町で物資の配送作業を担当する「大雪りばぁべっと」の担当者ら
山田町で物資の配送作業を担当する「大雪りばぁべっと」の担当者ら
山田町で物資の配送作業を担当する「大雪りばぁべっと」の担当者ら


岩手県山田町から緊急雇用創出事業を受託していたNPO法人「大雪りばぁねっと。」(北海道旭川市)のずさんな運営問題で、大雪が15日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたことが分かった。大雪の弁護士によると、申し立ては10日付で、同日時点での負債総額は5億6000万円。
 

大雪は2011、12の両年度、東日本大震災で被災した山田町から緊急雇用創出事業を受託。町海洋センターを拠点とし、支援物資の分配、行方不明者の捜索、無料浴場運営などをしていたが、12年12月に12年度事業費約7億9100万円を使い切ったことが明らかになった。全従業員137人は解雇された。

 
 岩手県は12年度事業費のうち約5億200万円が補助対象外だったと認定し、町が町費で穴埋めした。
 町によると、ボクシング用グローブなど事業とは直接関係ないと思われる物品を購入・レンタルしていたほか、センターは町の承認なしに増改築され、施錠付き小部屋なども設けられていた。

 
 町は大雪と岡田栄悟代表理事に損害賠償を求め、訴えを起こす準備を進めているが、破産手続き開始で、大雪への訴えは難しい状況になることも予想される。町総務課は「事実を確認したい」としている。
 同法人を所管する旭川市の担当者は、破産手続きの開始により「法人には解散の届けを出してもらうことになる」と話した。

 
 岡田代表は河北新報社の取材に対し「破産管財人に託し、手続きを進めたい。問題の責任の一端は自分にもあるが、仮に裁判となれば、法廷で主張していく」と話した。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/05/20130516t33015.htm