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グリーンピース・ジャパンの事務局長、佐藤潤一氏が来春に退任。新事務局長を公募(RIEF)

2015-11-26 16:40:14

satouキャプチャ

環境NGO、グリーンピース・ジャパンの事務局長、佐藤潤一氏が、来年3月末日に退任する。グリーンピース・ジャパンでは、新事務局長を広く国内外から公募を始めた。

 佐藤氏は、米コロラド州のフォート・ルイス大学を経て、海外で貧困対策のNGO活動などに取り組んだ後、2001年にグリーンピース・ジャパンに参加した。キャンペーン部長、海洋生態系問題担当部長などを経て、2010年に事務局長となった。就任以来、5年が経過したことと、新たな場で地球環境問題に取り組みたい、との決意で14年間活動してきた同団体を去ることになった。

 佐藤氏は、オーストラリア、ニュージーランド、英国などで導入されていた焼却も埋め立てもしなくしていくというゴミ政策「ゼロ・ウェイスト」を日本に紹介したほか、企業に環境保護方針の採用を促すキャンペーンや、塩化ビニルの乳幼児おもちゃへの使用規制、アサヒビールのペットボトルビール販売見直し、化学企業の有害残渣の海洋投棄問題退、ユニクロの有害化学物質使用禁止などのグリーンピースの活動を先導してきた。

 また、2011年3月11日に起きた東電福島第一原発事故後には、全村民避難を余儀なくされた飯舘村をはじめとする被災地域に、放射線調査の国際チームを派遣し、定期的に放射能汚染の実態を客観的データで報告するなどの活動を展開している。

 佐藤氏個人が、世間の耳目を集めたのが、2008年に起きた「捕鯨肉横領」事件。日本の調査捕鯨船で共同船舶株式会社の乗組員らが、漁で得た鯨肉を大量に私物化しているとの内部告発を受け、佐藤氏ともう一人のグリーンピースのスタッフが、”証拠”の鯨肉を東京地検に提出して告発した。二人は、宅配業者の倉庫に置かれていた鯨肉入り宅配便を発見し告発した。ところが、この証拠の入手方法をめぐり窃盗・建造物侵入罪で逮捕された。

 一方、横領疑惑が問われた乗組員らは不起訴となった。このため、国連人権理事会が日本政府に対して佐藤氏らの逮捕は世界人権宣言に違反していると勧告し、国際問題にもなった。しかし佐藤氏ら二人は2010年の裁判で執行猶予付きの有罪判決が言い渡され、控訴棄却で確定した。ただ、判決では、調査捕鯨における鯨肉のやり取りに関する不正があったことを認めている。

 これを受けて、水産庁は調査捕鯨における鯨肉が水産庁職員に渡されていたと不正を認め2010年末に謝罪、関係した職員ら5人を処分した。職員らは漁業監督官で、調査捕鯨船の違法行為を取り締まる立場だった。佐藤氏らの活動と裁判が、日本の捕鯨事業のズサンを明るみに出したことは間違いない。

 佐藤氏は、「グリーンピースの職員として働きはじめて14年が経過することなどから、これまで得られた経験を活かし、新たな場で地球環境を守る取り組みに挑戦してみたい」と話している。

グリーンピース・ジャパンの新事務局長の公募開始

グリーンピース・ジャパン事務局長の公募について(募集要項)

佐藤氏「グリーンピース・ジャパンの事務局長にご興味のある方、またはお知り合いに事務局長にふさわしい方がいらっしゃる場合には、ぜひご応募、もしくはこちらの募集要項をお知らせいただければ幸いです。地球環境、そして国内の社会環境の悪化を止めるためにも、引き続きグリーンピース・ジャパンへのご支援とご協力をよろしくお願い致します」

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/dblog/blog/54811/