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コンタクトレンズのメニコン、牛や羊のゲップから発生するメタン減少の動物用飼料開発。現状より5~7割削減可能。温室効果ガス削減に効果(各紙)

2020-04-09 12:40:17

caw1キャプチャ

 

 各紙の報道によると、コンタクトレンズ大手のメニコンは、牛のゲップなどから発生するメタンガスの排出量を削減する動物用飼料を開発した。メニコンがコンタクトレンズの洗浄液などを開発する過程で発見した酵素を使って、コーヒー豆の搾りかすを発酵させることで飼料化したものを、牛に与えると、牛が発するゲップ含まれているメタンガスを5~7割削減できるという。牛や羊等からの温室効果ガス排出量の約15%を占めるとされる。

 

 日本経済新聞が報じた。メニコンは、動物用栄養補助食品等も開発販売しているほか、環境事業にも取り組んでいる。同社は2012年からスターバックスコーヒージャパンと共同で、スタバの店舗で発生する大量のコーヒー豆の搾りかすを活用し、メニコンが開発した酵素を加えたリサイクル事業の実証実験を続けてきた。

 

 その後、畜産由来の温暖化ガスを減らす技術として、事業性を確認した、として今後、実用化を目指すことにした。ニコン開発の飼料を牛に与えると、牛のゲップに含まれているメタンガス発生量を5~7割削減できるという。牛だけでなく羊等にも与えることができる。

 

牛のゲップの仕組み
牛のゲップの仕組み

 

 牛や羊のメタンガス入りゲップを抑える手法としては、飼料に海藻を混ぜたり、カルシウム等を与えるなどの試みが内外で実施されている。ただ、これまでのところ決定打となる手法は開発されていない。

 

 メタンガスによる温室効果はCO2の25倍も高いことが知られる。人口より羊の数が多いニュージーランド等では、羊のゲップ解消が大きな課題となっている。国連食糧農業機関(FAO)によると、人為的に排出されている温室効果ガスの約15%が畜産業に由来し、石油換算で約1億4400万㌧に匹敵するという。https://rief-jp.org/ct8/89769

 

 またFAOの報告書によると、畜産業からの温室効果ガスの排出量は飼料の製造・加工過程で最も多く、その排出量は全体の約45%を占める。一方、動物が放出するガスは全体の約39%に上るとされる。http://rief-jp.org/ct8/36753

 

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200409&ng=DGKKZO57762400X00C20A4TJ1000