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JAL、2050年に航空機からのCO2排出ネットゼロ達成を目標に。赤坂社長が言明。省エネ機材に更新、バイオ燃料に転換。足りない部分はクレジット購入で(RIEF)

2020-06-23 15:30:13

JALキャプチャ

 

 各紙の報道によると、日本航空(JAL)は、2050年にCO2排出量ネットゼロを目指す方針を明らかにした。赤坂祐二社長が定時株主総会で述べた。国際航空運送協会(IATA)は2050年には国際航空機からのCO2排出量を半減させる目標を立てているが、JALはその50年目標をゼロにまで引き下げる。

 

 日刊工業新聞が伝えた。JALの赤坂社長が19日開催の株主総会で「多くのCO2を排出する航空機は正面から(地球温暖化問題に)取り組む必要がある」と語った。今後取り組む経営の重要課題として、CO2ネットゼロを目指すことを、株主に公約した。

 

 IATAの目標を上回るネットゼロ目標を達成するために、JALは航空機本体を省エネルギー型機材に更新するほか、燃料についても生物由来のバイオジェット燃料への切り替えを進めるとしている。それでも不足する分はカーボンオフセットで市場から調達して対応する考えという。赤坂社長は「この高い目標を達成する世界初のエアラインになる」と意欲を示した。

 

 航空機運航によるCO2排出量は、世界の温室効果ガス排出量の約2%を占める。昨年、米国を訪問した環境活動家のグレタ・ツゥンベリさんは航空機利用によるCO2排出増に寄与することを嫌い、ヨットで大西洋を横断した。「飛ぶ恥」の言葉も広がった。

 

 航空機業界ではICAO(国際民間航空機関)が2021年以降の国際航空機からのCO2排出量は増加させないという「CORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)」スキームが採択されている。さらに、IATAはICAOの取り組みに対応して、2020年までの燃費効率年1.5%ずつ向上、50年までに排出量50%(2005年比)削減等を定めている。

 

 こうした国際的な自主規制の動きに対応し、米デルタ航空は今年2月、CO2排出量をネットゼロとする「カーボンニュートラル」を2030年に達成すると宣言した。米LCCのジェットブルー航空も、同様にネットゼロを目指すことを明らかにしている。航空会社の競争は「どちらがCO2排出量が少ないか」と乗客に問いかける「グリーン競争」になるかもしれない。

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00561839?isReadConfirmed=true