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新電力大手のイーレックス、一般家庭向けに「CO2フリー電力」の販売開始。太陽光・バイオマス発電電力+「非化石証書」でCO2ネットゼロ化。「脱炭素」意識の高い家庭向けに販売(RIEF)

2020-07-07 17:14:16

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 新電力大手のイーレックスは今月初めから、対象を家庭向けに絞った「CO2フリー電力」の販売を始めた。企業では再エネ100%電力への需要が高まっているが、家庭・個人でも、「脱炭素」をライフスタイルに取り入れる動きが広がると判断、電力商品を売り出した。化石燃料由来の電力でないことを証明する「非化石証書」を太陽光発電やバイオマス発電の電力と組み合わせて、供給する。

 

 「CO2フリー電力」は、イーレックスが東京電力エナジーパートナーと共同で設立した「エバーグリーン・マーケティング」を通じて販売している。すでに「エバーグリーン」社は、企業等の大口電力需要者向けの特別高圧・高圧向けに「非化石証書」を付与して実質再エネ100%となる「CO2フリープラン」を販売している。今回、同プランを家庭・個人向けの低圧向けにも提供し始めた。対象エリアは、全国(沖縄県、離島を除く)。

 

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 提供する電力は、イーレックスが開発している太陽光発電やバイオマス発電の電力に加えて、非化石証書、Jクレジット等を併用し、顧客に届ける。同社では現在、4基のバイオマス発電所を稼働中で、計画中の2基を合わせると、総出力は約350MWになる。同社のバイオマス発電は燃料に輸入PKC(パーム椰子殻)や木質ペレット等を活用している。

 

 家庭向けCO2フリー電力の料金は、環境価値がある分、同社の通常の電力と比べ7%割高に設定されている。ただ、大手電力が提供する通常の電力料金と比べれば1.5~2%ほど安いという。

 

 家庭向けのCO2フリー電力の販売に合わせて、体制も整備した。イーレックス子会社でこれまで家庭向け電力販売を担ってきたイーレックス・スパーク・マーケティングをエバーグリーン・マーケティングの傘下に移し、社名も「エバーグリーン・リテイリング」に変更した。

 

 2016年に自由化された電力小売市場では、新電力や既存電力会社等の競争が引き続き激化している。顧客獲得のための値下げ競争もあり、今回のような「CO2フリー電力」等の新メニューは競争に勝ち抜く上での一つの戦略でもある。

 

https://www.erex.co.jp/news/pressrelease/2020070101.php