HOME8.温暖化・気候変動 |環境活動家のグレタさん、たった一人の座り込みから2年後、今年後半のEU議長国ドイツのメルケル首相と1時間半の会談。EUとしての温暖化対策の推進を求める(RIEF) |

環境活動家のグレタさん、たった一人の座り込みから2年後、今年後半のEU議長国ドイツのメルケル首相と1時間半の会談。EUとしての温暖化対策の推進を求める(RIEF)

2020-08-21 12:33:05

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  スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんは20日、EUの今年後半の議長国になったドイツのメルケル首相を訪問、気候変動対策の強化を求めた。グレタさんは、地球温暖化対策を訴える市民運動の「未来のための金曜日」の代表3人とともに、ベルリンの首相官邸を訪問、1時間半にわたって会談した。同日はグレタさんが2年前に温暖化対策の強化を求めてスウェーデン議会の前で一人で座り込んでから、丸2年目の日だった。

 

 (写真は、メルケル首相の執務室で、ソーシャルディスタンスをとって会談するグレタさんたち)

 メルケル首相と面談したのは、グレタさんのほか、ドイツのLuisa Neubauer、ベルギーのAnuna de Wever van der HeydenとAdelaide Charlierの3人。若者たちは、新型コロナウイルス感染拡大で、それまで毎金曜日に実施してきた「気候変動対策を求める登校拒否(スクールストライキ)」活動をオンライン化しているが、EU首脳に直接面談したのは、コロナ発生後初めてとなった。

マスク姿で会談に臨んだグレタさん㊨ら
マスク姿で会談に臨んだグレタさん㊨ら

 ドイツ政府の発表によると、会談では2050年には温室効果ガスの排出を実質ゼロにするというEUの目標の明確化や、それに向けた各国の具体的な気候変動対策への取り組みなどについて意見を交わしたという。首相と若者たちは、先進国には温暖化の解決に向けて特別な責任があるという認識で一致したとしている。

 メルケル首相も、NGOの若者たちと、ひざ詰めで1時間半も話し合うのは異例だ。日本に例えれば、安倍首相が、グリーンピース、FoE Japan、気候ネットワーク、WWF、350orgらの若者たちと、地球と若者たちの未来について語り合うようなものだ。日本での実現は期待できそうもないが。

グレタさんたちと1時間半も話し合った
グレタさんたちと1時間半も話し合った



 会談後、記者会見をしたグレタさんは、メルケル首相が親切で友好的だったと評価する一方で、「ドイツを含む先進国の首脳には温暖化対策を進める大きな責任がある」と注文した。「指導者は責任を果たし、気候変動を『危機』として捉えてほしい。居心地のよい場所から踏み出す勇気を持ってほしい」と述べて、対策の強化を呼びかけた。

 若者たちは、先月、世界のリーダーたちに向けて、「石油・ガス開発計画への資金支援をすべて停止し、人類起源のすべての温室効果ガス排出削減目標を設定し、CO2削減を計画的に推進するためのカーボンバジェットの設定」等を求める公開書簡を送っている。グレタさんたちは、コロナウイルス感染で控えていた大規模な行動を近く再開する方針。9月25日には世界規模での行動を計画しているという。

https://www.theguardian.com/commentisfree/2020/aug/19/climate-crisis-leaders-greta-thunberg

https://twitter.com/nowthisnews/status/1296480361409544192