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カナダが「熱帯」に。同国ブリティシュ・コロンビア州で、最高気温46.1℃を記録。カナダの最高気温を84年ぶりに更新。「熱ドーム」が発生、太陽光が地面を強烈に熱射(RIEF)

2021-06-28 18:19:11

Canda002キャプチャ

  北米大陸の太平洋岸の北西部一帯で、気温上昇が加速、カナダのブリティッシュ・コロンビア(BC)州では27日、カナダの観測史上最高の46.1℃(115F)を記録した。これまでの最高気温は、1937年に内陸部のサスカチュワン州で記録された45℃。84年ぶりに記録更新となった。同地だけでなく、米国オレゴン州のポートランドや、ワシントン州のシアトル等でも高温が続いている。

  (写真は、カナダCTVニュースより)

 

 最高気温を記録したのは、BC州の小村、リットン(Lytton)。同地のトンプソン川とフレーザー川の合流点に位置する村で、先住民の村として知られる。同地を含め、BC州と隣接するアルバータ、サスカチュワンの各州と、ユーコンや北西地域では、先週末から熱波に襲われ、40℃以上の高温が続いている。

 

 「Environment Canada」の気候研究者David Phillips氏によると、カナダ西部の一部では、「熱のドーム」が出現し、極めて蒸し暑い状態になっているという。「中東のドバイよりも気温が高くなっている。カナダじゃないみたい」と驚きを示している。例年、これらの地域の夏の平均気温は高くて20℃前後、低いと10℃前後で推移するので、倍以上の温度上昇ということになる。

 

 Phillips氏によると、異常な高温をもたらしている「熱のドーム」は、下部に暖気を抱え込んだ高気圧がドームのような形状を構成し、ドームを通じて太陽が地面の地表部分をジリジリ焦がしたり、数日に及ぶ熱波を作り出したりしているという。さらに、BC州等では今年は例年より乾燥が進んでおり、Phillips氏は「熱ドームと、異常乾燥が重なって『ダブルパンチ』となっている」と説明している。

 

 アルバータ州南部のOkanagan地区では、この春に記録的な乾燥状況が発生、湿度は例年の半分以下になっている。短期的に雨が降る見通しもないという。「熱ドーム」形成による気温上昇の長期化は、豊かな森林地帯での火災発生の増加につながる懸念もある。

 

 https://www.currentresults.com/Weather/Canada/British-Columbia/temperature-june.php

https://www.ctvnews.ca/climate-and-environment/headshaking-heat-wave-set-to-shatter-high-temperature-records-in-western-canada-1.5487110

https://www.theguardian.com/world/2021/jun/28/canada-hits-record-temperature-of-461c-amid-heatwave