今夏の米カリフォルニア州の森林火災は電力・ガスのPG&E社の管理不備が原因として、住民ら200人が訴訟。3年前の同州最大火災に次ぐ。3度目の経営破綻の可能性も浮上(RIEF)
2021-09-17 01:01:27
この夏、米カリフォルニア州を襲った森林火災の原因が、電力・ガス会社の「パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(Pacific Gas and Electric Company: PG&E)」の送電線管理の不備にあったとして、約200人を原告とする2つの訴訟が提起された。PG&Eは2018年にカリフォルニア最悪の森林火災となった「キャンプファイヤー火災」でも送電線が火元になったとして、巨額の賠償金支払いで経営破綻、連邦倒産法第11章の適用を受けている。今回も同様の影響が懸念される。
報道によると、今年の森林火災は7月13日に発生した「Dixie Fire」。焼失面積はカリフォルニア州北部の38万8690ha。実に、東京都の全面積の2倍近い規模だ。焼失した建物は約1300戸、消防士一人が消火活動中に死亡した。焼失面積では、3年前に起きた「キャンプファイヤー火災」に次ぐ同州で過去二番目に大きな火災となった。
訴訟を担当する法律事務所によると、火災原因はPG&Eの高圧線に森林の木が倒れかかった際、本来ならばフューズが飛んで断線する設計になっているはずだが、その安全装置が作動せず、火花が森林に燃え移ったため、と指摘している。原因は、PG&Eが高圧線が森林の木々に架からないように維持管理する作業を長年怠っていたためとしている。

地域住民らは、同日の朝7時に停電が起きたことを、PG&Eに通報している。しかし、同社の修理作業員が到着したのは9時間後の午後4時を回っていた。その間に森林火災の広がりを許したと指摘している。弁護士によると、PG&Eは送電機器の故障が火災の原因になったことを認めているという。
PG&EはDixie Fireの火災発生の翌日、州の規制当局に送電機器の故障が原因かもしれないとの報告をし、その中で作業員がフューズが飛んでいることを確認していたことを認めたと報道されている。また当日の午前7時の段階で同社の送電線システムでは、回線が切れていることを示していたが、作業員が現地の該当箇所を探し出すのには、現場が険しい地形であったことなどから、時間がかかったと説明しているという。
PG&Eは2000年のカリフォルニア電力危機の際に経営危機に陥り、翌01年4月に連邦倒産法第11条の適用を受けている。同社の経営破たん後、電力・ガス事業は同州が継承し、住民への電力等の供給は一応、維持された。その後、18年のキャンプファイヤー火災後にも巨額の賠償金支払いで破綻、今回、破綻すれば3度目となる。
今回の訴訟は集団訴訟ではなく、住宅所有者や賃借人、ビジネス所有者等の個々の訴訟を起こし、これらをまとめて一つの訴訟とする形をとっているという。原告は焼失やダメージを受けた住宅等の復旧、移築、減価、医療費、火災中の賃金、避難費用その他の賠償請求とともに、PG&Eに対する懲罰加算も請求額に含めている。
訴訟代理の法律事務所はSingleton Schreiber McKenzie & Scottで弁護士はGerald Singleton、J. Ross Peabody、Tommy Vuの各氏が担当している。同事務所は2020年の森林火災の「2020 Mountain View and Zogg Fires」の原告や「the 2019 Kincade Fire」「the 2018 Woolsey and Camp Fires」「the 2017 Thomas and North Bay Fires」「the 2015 Butte Fire」の訴訟も担当している。

































Research Institute for Environmental Finance