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地球温暖化対策を求める「未来のための金曜日(FFF)」。24日に世界で抗議行動。グレタさんはドイツで「世界のリーダーたちは未来を無視している」と演説(各紙)

2021-09-25 12:16:00

Greta002キャプチャ

 

 24日の金曜日。若者たちが地球温暖化対策を求める「未来のための金曜日(Frieday for Future : FFF)」による世界気候アクションが世界約1500カ所で展開された。コロナ禍で街頭での活動を控えていた若者たちはワクチンとマスクの徹底で大規模なデモ行進等で気候行動を訴えた。総選挙を控えたドイツでは、スウェーデンの間活動家グレタ・ツゥンベリーさんが政治家の行動を求める演説をした。

 

 グレタさんは、ドイツの首都ベルリンの連邦議会前で演説。「気候危機との闘いは、コロナ禍よりもさらに緊急性を必要としている。われわれは街頭に戻ってきた。なぜなら、世界のリーダーたちが、われわれの未来を無視しているからだ」と、気候行動を口先だけで実践力に乏しい政治家を非難した。

 

 グレタさんがドイツを訪問したのは26日に開かれる同国の総選挙を意識したものだ。気候政策を重視する政権が誕生するかどうか。気候対策では米日よりも先行する欧州だが、エネルギー政策の脱化石燃料化は、グレタさんたちが求めるスピードより「はるかに遅い」。ドイツは脱原発と並べて、脱石炭火力も掲げるが、その目標年限は2038年。

 

距離を取ってマスクは外す
距離がある場合は、マスクは外す
「密」な時はマスクで。
「密」な時はマスクは必須

 

 グレタさんは「今年は非常に不思議な年。半分はコロナ禍のパンデミックが覆ったが、もちろん気候危機が消えたわけではない。むしろ反対に、以前よりも気候危機の緊急性は増している」と強調した。

 

 「にもかかわらず、世界のリーダーたちは、未来を気にしていないようだ。少なくとも、そのように考えているとは思えない。彼らは若者の話を聞く素振りをする。しかし、素振りだけ。だから、われわれは街頭に戻ることになる」と指摘した。10月末からの国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)についても厳しい見通しを示した。

 

  さらにドイツの総選挙に触れ、各政党が気候対策の強化を掲げるが、グレタさんは「彼らは私たちのことを真剣に考えていない。いずれも対策が不十分」と指摘。人口もCO2排出量も多いドイツは「気候変動における最大の悪者の一人」と非難した。ドイツでは各地で若者や家族連れ等がFFFのデモに参加。ベルリンだけでも、中高年も含め10万人規模の盛り上がりとなった。

 

選挙は大人だけのものではない。多くの子供も参加
選挙は大人だけのものではない。多くの子供も参加

FFF001キャプチャ

 

 日本を含め、世界中の若者たちがコロナを吹っ飛ばす勢いで、街頭デモや集会を再開させた。アフリカのウガンダでデモに参加したバネッサ・ナカテさんは、「アフリカ全体のCO2排出量はこれまでも歴史をカウントしても世界全体のわずか3%でしかない。しかし、アフリカの人々はすでに気候危機による最もひどい影響を被っている。多くのアフリカの人々が、気候変動の影響で家を失い、ビジネスが崩壊している。われわれは『気候正義(Cliamte Justice』を求めてFFFに加わっている」と強調した。

 

 国連のグテレス事務総長は23日に国連安全保障理事会で演説し、世界に広がる異常気象の影響で、昨年だけで3000万人以上のひとびとが住んでいた土地を追われ、難民化していると指摘した。その9割は、気候対策能力の低い国々から発生しているとし、「気候脅威は明確に存在している」と語った。

 

 ブリンケン米国務長官も、今月、ハリケーンアイダの影響で、ニューヨークに記録的な豪雨が発生、地下鉄が浸水するなど都市機能マヒの大規模被害が起きたことを指摘し、「安保理は平和と安全に対する気候の悪影響に力を使うべきだ」とアピールした。

 

 ただ、中国の張軍国連大使は、気候問題の重要性を認めたうえで「そのために安保理が議論するすべての国々が戦争や混乱に陥ったわけではない」として「気候正義」の受け止めで、微妙な温度差を示した。

https://www.independent.co.uk/climate-change/news/greta-thunberg-climate-strikes-friday-b1923582.html