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COP26 : 米中、温暖化対策で共同声明。CCUSやDAC等の展開・応用も盛り込む。中国国内の電力網の効率化等も協力対象に(RIEF)

2021-11-11 15:24:44

Kerryキャプチャ

 

  米中両国は10日、英グラスゴーで開いている国連気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP26)で、温室効果ガス削減策での協力を強化する共同声明を公表した。温暖化効果の高いメタンの排出削減のほか、石炭消費の削減、森林保護等の強化を盛り込んだ。具体的な協力分野としては、CCUSや大気中のCO2を直接吸収するDAC技術等での展開と応用のほか、中国市場を前提とした電力網のクリーン化等をあげた。

 

 (写真は、ジョン・ケリー米大統領特使㊧、解振華担当特使㊨=英ガーディアン紙より)

 

 米中は温室効果ガス排出量で世界の1位と2位を占める。共同声明は米国の気候担当の大統領特使のジョン・ケリー氏と中国の解振華担当特使が会談して発表した。声明にはこれまでの両国の削減公約を上回るものは盛り込まれなかったが、主に中国市場を前提とした実務的な協力関係事項が盛り込まれた。

 

 まず、米中の主要な協力分野として、①2020年代中に温室効果ガス排出削減に関する規制フレームワークと環境基準の作成②クリーンエネルギーへの移行の社会的ベネフィットの最大化③最終消費セクターでの脱炭素化と電化を奨励する政策④グリーンデザインや再生資源利用等のサーキュラーエコノミーに関する主要分野⑤CCUSやCO2の直接吸収技術(DAC)等の展開と応用、の5分野をあげた。

 

 特にCO2削減策では、中国の国内電力網を前提とした、電力の送配電システムの効率化を念頭に置いた政策転換での協力をうたっている。

 

 それらは、①低コストの再エネを効果的に電力システムに統合する政策②広範囲な地域を対象とした電力の需給バランスを効率化する送電政策③太陽光や蓄電装置、その他のクリーンエネルギーソリューションを電力消費者へ統合する配電政策④電力の漏洩を削減するためのエネルギー効率政策、等だ。

 

 米国とEUが提唱したグローバルメタン削減誓約(GMP)に関連では、2020年代中に取り組む課題として、①両国のメタン削減政策の情報交換等での協力②米国は米メタン排出削減計画を公表③両国は次のCOP27までに、追加的な削減策を講じるとした。

 

 ケリー氏は「この合意はCOP26を成功させるため、各国の野心を促進することを含めた、支持表明だ。現在とる一つ一つのステップが重要だ。われわれは長い旅に踏み出した」と述べた。解氏は「両サイドは(今後も)共同して行動していくだろう。COP26の成功を確保し、野心とバランスのとれた成果を促進していくするために、他のメンバーとも連携していく」とした。

https://www.state.gov/u-s-china-joint-glasgow-declaration-on-enhancing-climate-action-in-the-2020s/