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出光興産、日本・中東間のタンカー海上輸送時のCO2排出量1万㌧を、自主的カーボンクレジットの調達で相殺。今後、自らクレジット創出事業への参入も検討(RIEF)

2021-11-13 16:41:33

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 出光興産は12日、日本・中東間での原油の海上輸送中の燃料消費に伴うCO2排出量削減のため、自主的カーボンクレジットを市場から調達、約1万㌧のCO2排出量を相殺した。同社は今後もクレジット活用で海上輸送時のカーボンニュートラルを実現するほか、自らクレジットの創出事業や顧客向けクレジット販売等の事業に参入することを目指すとしている。

 

 今回、同社が海上輸送時のCO2排出量をオフセットしたのは、100%出資子会社の出光タンカー所有の大型原油タンカー(VLCC)「日章丸」(載貨重量:300,544MT)が日本と中東の間を往復する際の航海1回分に相当する約1万㌧のCO2排出量。クレジットの調達額は公表していない。

 

 調達したカーボンクレジットはシンガポールにトレーディング拠点を置く出光アジア社が、VCM(Voluntary Carbon Markets)市場から独自に調達した。調達したクレジットは、第三者検証機関のVerra、Gold Standardの認証付き。同認証は、国際民間航空機関(ICAO)による国際航空向けのカーボンオフセットや削減スキーム(CORSIA)にも認められており、信頼性が高いと評価されている。

 

 同社では出光タンカーとともに、今後も、カーボンクレジットを活用したオフセットを含めた、多様なCO2削減手法を用いて海上輸送のカーボンニュートラル化を実現していくとしている。

 

 加えて、自主的カーボンクレジットの有効性を精査した上で、グループ全体で、同クレジットを創出する事業に進出することを検討するとしている。同社が販売する各種製品とカーボンクレジットを組み合わせて、顧客企業等の環境負荷低減ニーズに応える新たな商品展開・販売も検討対象、としている。

 

 同社グループでは、国内だけでなく、米国やベトナム等でも太陽光発電事業を手掛けている。ノルウェーの北海海域では浮体式洋上風力発電事業の開発等を進めるなどグローバルに展開している。2030年の内外での再エネ発電量は4GW(2019年時点0.2GW)を目指している。

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