HOME8.温暖化・気候変動 |世界気象機関(WMO)、昨年6月にロシアのベルホヤンスクで観測された38℃の気温を、北極圏の観測史上で最高気温と正式に認定。南極も最高気温更新(RIEF) |

世界気象機関(WMO)、昨年6月にロシアのベルホヤンスクで観測された38℃の気温を、北極圏の観測史上で最高気温と正式に認定。南極も最高気温更新(RIEF)

2021-12-15 12:39:42

WMO0012キャプチャ

 

   世界気象機関(WMO)は14日、昨年6月にロシア・サハ共和国のベルホヤンスク(Verkhoyansk )で観測された38℃の気温が、北極圏の観測史上で最高気温だったと正式に認定した。また夏場の平均気温も平年より10℃も高かったことがわかった。WMOでは「北極圏より地中海にふさわしい気温」と形容。WMOの「国際天候・異常気候アーカイブ」に新たなカテゴリーを設けて、今回の最高気温を追加した。

 

 同時に昨年2月には、南極でも18.3℃の最高気温を記録した。アルゼンチンの南極観測基地であるEsperanza stationでの観測だ。その3日後には、ブラジルの自動観測基地で20.75℃も記録されたが、WMOは今回、18.3℃を南極の最高気温として認定した。https://rief-jp.org/ct8/99109

 

 両極域は他の地域よりも2倍以上の速さで温暖化が進んでいるとされる。そのため北極圏ではシベリアでの森林火災の多発、海氷の溶解域拡大、永久凍土の融解等の現象を加速化させている。南極の氷床の融解が進むと、世界中の海面上昇につながるリスクがある。

 

 WMOによると、ベルホヤンスクはロシア極東にあるサハ共和国の北部にあり、北極圏内に約115km入ったところに位置している。WMOは1885年から同地で気温を観測している。同地は冬場は厳寒で、夏場は暑くなる非常に変化の激しい大陸乾燥気候地帯として知られる。最高気温を観測したのは昨年6月20日。翌日の21日も35℃を超えた。それまでの北極圏域内での最高気温は1915年にアラスカのフォート・ユーコンで記録された37.5℃とされた。https://rief-jp.org/ct4/104019

 

 地球上の最高気温も更新された。米国カリフォルニア州デスバレーで 54.4°Cを2020年、21年と連続して記録した。また欧州でもこの夏、イタリアのシシリー島で48.8℃の欧州最高気温を更新している。WMOでは、これほど各地で最高気温の更新が起きたのは過去例のないことと、指摘している。

 

 北極圏域でのこれまでの観測では、気温が38℃を超えた記録は、ロシアのシベリアだけでなく、カナダや米アラスカ等でも起きていない。近来にない気候変動が加速していることを示す。

https://public.wmo.int/en/media/press-release/wmo-recognizes-new-arctic-temperature-record-of-38%E2%81%B0c