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三井物産、ロシアのガスプロム系企業とCCS事業で協働。シベリア等に点在する枯渇した廃ガス田にCO2を貯留へ。CCSからのカーボンクレジット販売も視野に(RIEF)

2022-02-15 21:23:20

bussannキャプチャ

  三井物産は15日、ロシアのガスプロムPJSCの子会社のガスプロム・ネフトPJSC社(サンクトペテルブルク、Gazprom Neft)との間で、ロシアでのCO2回収・貯蔵(CCS)事業に向けた共同調査を実施することで合意し、覚書を締結したと発表した。覚書では、両社で脱炭素の共同事業の展開も目指し、将来的にはCCSを活用したカーボンクレジット事業の展開も視野に置いている。

 三井物産とガスプロムネフチは、CCS技術の実用化によって、サハリンや西シベリアに点在する枯渇したガス田を活用して、ロシアや日本で排出するCO2の回収・貯留を検討する。三井物産はすでにオーストラリアや英国でもCCS技術開発を手掛けているが、ロシアにはCCSの貯留源に活用できる廃ガス田が多いことから、ガスプロムグループと連携してCCS事業の実用化に取り組むとしている。

 排出されるCO2をCCSで回収・貯留するだけでなく、ロシアで豊富に産出する天然ガスを活用した火力発電の電力から水素を取り出し、火力発電で排出するCO2を地中に埋める「ブルー水素」の開発・生産も想定しているという。

 三井物産が提携するガスプロムネフト社は、石油及び天然ガスの探鉱開発、生産、精製、販売等を一括して手掛ける総合エネルギー事業会社。ロシア国内の炭化水素の生産・精製事業で、上位3社の一角を占める。事業規模も世界110か国・70以上のグループ会社を保有している。

 覚書では将来的に、CO2の海上輸送技術確立、CCS技術により削減されたCO2のクレジットを、日本およびアジア市場で売却するビジネス展開も目指す。三井物産は「(われわれは)石油・ガス上流事業の知見と広範なビジネスネットワークを活用して、脱炭素社会の実現に向けたグローバルに事業展開をしている。(今回の)戦略的パートナーシップのさらなる深化により低炭素ソリューションをエネルギーバリューチェーン全体に提供していく」とコメントしている。

https://www.mitsui.com/jp/ja/topics/2022/1242846_13393.html