HOME |グレタさんは21歳。この1週間でコペンハーゲンとブリュッセルで2度拘束され、ドルトムントで警察から警告を受ける。気候対策からガザ攻撃への抗議まで。「不正義」へ声を上げ続ける(RIEF) |

グレタさんは21歳。この1週間でコペンハーゲンとブリュッセルで2度拘束され、ドルトムントで警察から警告を受ける。気候対策からガザ攻撃への抗議まで。「不正義」へ声を上げ続ける(RIEF)

2024-10-10 02:40:19

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 気候活動家のグレタ・トゥーンベリさんが健在だ。先週末5日に、ブリュッセルでEU加盟国が化石燃料への助成金を継続していることに反対するデモに参加、同地の道路を封鎖したとして、数十人のデモ隊の参加者たちとともに拘束され、警察に連行された。グレタさんは、その3日前にも、デンマークのコペンハーゲンで、イスラエルによるガザ地区への攻撃とヨルダン川西岸地区の占拠に反対する学生たちの抗議活動に参加して警察に拘束されている。

 

 1週間に2回も警察に拘束されたグレタさん。さすがに意気消沈したのでは、との外野の心配をよそに、今週に入って、ドイツ・ドルトムントの大学で、同地の学生たちがイスラエルのガザ攻撃等に抗議するために設営したキャンプサイトに招かれた際、今度はドイツ警察から「差し止め」を食った。グレタさんが同地に向かおうとしたところ、グレタさんが到着する前に、学生たちはドイツ警察によって排除されてしまったのだ。

 

 同時に、ドイツ警察はグレタさんに対しても「ドルトムントに来れば逮捕する」と警告を発したという。グレタさんのイベントを企画しただけの学生たちに対する突然の逮捕と、グレタさんにも「圧力」をかける警察の姿に、グレタさんはSNSで怒りを爆発させた。

 

 「パレスチナにおけるイスラエルによる『ジェノサイド』と『不法な占領』に、反対の声をあげるだけで弾圧に直面している活動家たちを支援するため、私たちは皆立ち上がるべきです。ドルトムントで、ドイツ全土で、そして世界中で」「私たちは沈黙しない。パレスチナに自由を」と呼び掛けた。

 

 気候課題から社会課題、軍事的弾圧まで。いずれも、前向きな答えが出ないまま、事態がだんだんと悪化し続けているのに、解決を担うべき「大人」がいずれの場にも現れず、世の中の関心も移ろいで流れていく。しかし、「大人」になったグレタさんはそうした風潮とは無縁だ。正義に反するものは認められない、として異議を申し立て続けている。「不正義の横行に異議あり!」と。

 

2018年8月に「金曜日の登校拒否」を始めた時のグレタさん
2018年8月に「金曜日の登校拒否」を始めた時のグレタさん

 

 2018年8月、スウェーデンのストックホルムの同国議会前で、「効果的な気候対策」をとらない大人たちに抗議する「登校拒否」の「一人座り込み」を始めたグレタさんは、当時、15歳。今は、6年の時を経て、21歳になった。https://rief-jp.org/ct8/87084?ctid=

 

 グレタさんは、ブリュッセルでは、欧州議会外で始まった「気候正義連合」のデモ行進から離脱した少数のデモ参加者の一員だった。この集会は、2050年までに欧州をカーボンニュートラルにするという野心的な目標を達成するため、ブリュッセルのEUの本部に対し、化石燃料への助成金の廃止を求めた。

 

 6年前とは違い、グレタさんの抗議行動は「一人座り込み」ではない。「化石燃料への助成金の即時廃止なしには、カーボンニュートラルは実現しない」と、多くの気候活動家、科学者、経済学者らがEUの指導者たちに向けて公開書簡も発出した。グレタ世代の若者の台頭、「大人の世代」の諦めからの覚醒、専門家の責任ある主張ーー。グレタさんは「必要な変化が起こるまでは、人々は声を上げ続け、(政策担当者の)責任を問うでしょう」と付け加えている。

 

https://x.com/GretaThunberg/status/1843930080847790376

https://www.euractiv.com/section/eet/news/climate-activist-greta-thunberg-detained-at-brussels-demo/