HOME8.温暖化・気候変動 |今年5月の世界の平均気温は「15.76℃」。同月としては過去2番目の暖かさ。産業革命前からの気温上昇「1.5℃」の連続記録は21カ月で止まる。専門家は「一時的な安息」と評価(RIEF) |

今年5月の世界の平均気温は「15.76℃」。同月としては過去2番目の暖かさ。産業革命前からの気温上昇「1.5℃」の連続記録は21カ月で止まる。専門家は「一時的な安息」と評価(RIEF)

2025-06-11 19:01:00

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    2025年5月の世界の平均気温は15.76℃で、同月としては観測史上2番目に暖かい5月だった。もっとも暖かい5月は昨年。今年の気温は、1991年から2020年の5月平均値より0.53°C高かった。産業革命前(1850~1900年)の推定平均気温を1.40℃上回った。ただ、4月まで産業革命前からの上昇率が「1.5℃超」が21カ月続いていたが、5月で中断したことになる。5月までの1年間の平均気温では、1991年から2020年の平均気温より0.69°C高く、産業革命前からは1.57°C高と、「1.5℃超」を続けている。

 

 EUのコペルニクス気候変動サービス(C3S)が10日に発表した。5月の月間平均気温としては、昨年5月が記録的な高さだった。今年の同月は、昨年よりも0.12°C低く、3番目の暑さだった2020年の5月よりは0.06°C高かった。https://rief-jp.org/ct8/145998?ctid=

 

 欧州中期予報センター(ECMWF)のC3Sディレクターのカルロ・ブオンテンポ(Carlo Buontempo)氏は「今年の5月は、産業革命前比で1.5℃を超える日の連続記録が止まった。これは地球にとって、『一時的な安息』をもたらす可能性があるが、気候システムの継続的な温暖化によって、近い将来に、再び『1.5℃』の閾値が超えられると予測される」と述べている。

 

 地域別にみると、5月の欧州の陸上での平均気温は12.98°C。1991~2020年の5月平均より0.29°C低かった。同月の欧州は地域よって顕著な差がみられた。イタリア東部からバルカン半島を経てフィンランドまでの東欧地域では平均を下回る気温となったが、その他の西欧地域では平均を上回る気温となった。

 

 欧州以外では、南極大陸の西部、中東と西アジアの広範な地域、ロシア東北部、カナダ北部ではおおむね、気温が平均を上回った。逆に、南極大陸東部、インド、アラスカ、南アフリカ等では平均を下回った。

 

 2025年の北半球の春(3月から5月)の地球全体の平均気温は、1991年から2020年の平均比で0.59°C高く、記録上、2024年に比べて2番目に高い値だった。今春の平均気温は過去の平均気温を上回った。特に北半球で顕著だった。平均以上の気温の上昇は中央アジア西部、ロシア東北部、グリーンランド、南極西部で観測され、逆に平均以下の気温はハドソン湾、アフリカ南部と東北部、インド、オーストラリア北部、南極東部で観測された。

 

 同月の中緯度地帯(60°S~60°N)での海面の平均海面水温(SST)は20.79°C。陸上と同様、昨年の5月の記録値に次ぐもので、昨年より0.14°C低かった。また多くの海洋盆地と海でSSTが異常に高くなった。中でも、海洋熱波が発生した北東大西洋の広範な地域では、月間記録最高の水温が観測された。地中海の大部分も平均より大幅に暖かかった。

 

 各地の気候では、北欧と中欧の大部分、およびロシア、ウクライナ、トルコの南部地域は平均より乾燥していた。一方、南欧の大部分、北欧地域、バルト海から黒海にかけての南北帯、およびロシア西部の一部では、平均より湿潤な月だった。

 

 北アメリカの大部分、アフリカの角、中央アジア、オーストラリア南部、および南アフリカと南アメリカの大部分では、平均より乾燥した状態だった。アラスカ、米国東部、ロシア全土、インド亜大陸以北、東南アフリカ、およびオーストラリア東部と北西部では、平均より湿潤な条件が観測された。

 

 北極海氷の面積は平均比2%減で、47年間の衛星観測史上5月としては9番目に低い月間面積だった。地域的には、ユーラシア大陸の北部沿岸(バレンツ海、カラ海、ラプテフ海)で平均を下回る海氷濃度となった。南極の海氷面積は平均比9%減で、5月としては記録上5番目に低い値だった。

https://climate.copernicus.eu/copernicus-exceptionally-dry-spring-parts-north-western-europe-second-warmest-may-globally