HOME8.温暖化・気候変動 |地球温暖化対策、日本へ圧力強まる。国連事務総長がCOP20で、日本を「念頭」に目標の早期提出要請。中印は「先進国の責任の重さ」強調(各紙) |

地球温暖化対策、日本へ圧力強まる。国連事務総長がCOP20で、日本を「念頭」に目標の早期提出要請。中印は「先進国の責任の重さ」強調(各紙)

2014-12-10 11:11:45

COP20キャプチャ
COP20キャプチャ各紙の報道によると、南米ペルーで開催中の気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)に出席した国連の潘基文事務総長は9日、各国の削減目標の提出について「すべての国、特に主要経済国と先進国は、来年3月末までに目標を提出してほしい」と求めた。

 

各国が提出する削減目標は次回のCOP21(2015年末にパリで開催)で決定する予定だが、準備のできる国は2015年の第一四半期中に前倒し開示をしてもいいと、している。これを受けて、先に米中が削減の方向性を示したほか、欧州連合(EU)も40%削減(90年比)をすでに打ち出している。

 

潘事務総長は、さらに日本やカナダなどを想定して、早期の目標提示を求めた形だ。米国の科学者らで組織する「憂慮する科学者同盟」のアルデン・マイヤー氏は同日の記者会見で「6月に始まる交渉会合の前に、日本など主要国に対して目標提出を促すものだ」と分析した。

 

また、同日開幕した閣僚級会合で、中国とインドの閣僚が演説、その中で、地球温暖化対策に関して先進国と発展途上国には責任の違いがある、と改めて強調した。

 

2008年~2012年の京都議定書の国際フレームワークは、「共通だが差異ある責任」を基本原則とした。2020年からの次期フレームワークは、途上国も含めて温室効果ガスの削減義務を負う方向となっているが、削減義務の程度については、まさにCOPの交渉課題となっている。中国、インドの主張はこの点を意識したものとみられる。

 

2020年以降の削減目標の早期開示を求める国際的要請と、途上国からの「先進国の責任の重さ」の再確認要請は、日本の目標設定に大きな圧力をかけることになりそうだ。