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抗生物質多用の中国の養豚場で薬剤耐性菌広まる 人の感染症に影響も(各紙)中華料理店も食材の原産地表示不可欠

2013-02-12 11:25:37

 中国・福建省の養豚場。抗生物質の使用によって薬剤耐性菌が広まり、人の健康への懸念が生じている(米ミシガン州立大などの研究チーム提供)
 中国・福建省の養豚場。抗生物質の使用によって薬剤耐性菌が広まり、人の健康への懸念が生じている(米ミシガン州立大などの研究チーム提供)
中国・福建省の養豚場。抗生物質の使用によって薬剤耐性菌が広まり、人の健康への懸念が生じている(米ミシガン州立大などの研究チーム提供)


各紙の報道によると、中国各地の養豚場で飼われているブタにさまざまな家畜向けの抗生物質が使用され、その結果、薬剤耐性を持つ細菌などが広まっていることが明らかになった。米ミシガン州立大と中国の研究チームが調査分析したもので、11日付の米科学アカデミー紀要電子版に研究結果を発表した。

同チームの調査では、各地の養豚場周辺の農地の土からも、細菌の耐性遺伝子を確認したという。ブタの排せつ物を利用した肥料を通じて、農地にも薬剤耐性の細菌が広がった可能性がある。チームは「薬剤耐性の細菌に汚染された豚肉や、野菜などを食べることで、耐性遺伝子が人の病原体に取り込まれて治療が困難な感染症が多発しかねない」などと警告している。

中国は世界最大の抗生物質の生産国と消費国だが、抗生物質の使用基準や使用状況の監視体制については十分整備されておらず、“細菌汚染豚肉”が国内市場だけでなく、加工食材を通じて海外にも流れている可能性が極めて高い。日本国内の中華料理店とも、食材の原産地表示が不可欠といえる。