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韓国原発にサイバー攻撃、図面など機密資料が流出(朝鮮日報)

2014-12-19 18:35:28

韓国水力原子力の古里原発本部の教育訓練センター
韓国水力原子力の古里原発本部の教育訓練センター
韓国水力原子力の古里原発本部の教育訓練センター


原子力発電所を運営する韓国水力原子力(韓水原)の内部インターネット網がハッキングとみられるサイバー攻撃を受け、職員1万人余りの個人情報のほか、月城原発(慶尚北道慶州市)と古里原発(釜山市機張郡)1号機の運転用図面や部品図面など、多くの機密資料がネット上に流出した。韓水原はソウル中央地検に捜査を依頼した。

ただ、原発の安全に関わる制御システムは外部からの進入が完璧に遮断されており、ハッキングの被害を受けていないとされる。

韓水原の関係者は18日「今月10日、内部インターネット網で不正プログラムが見つかり、対処したが、17日に職員の個人情報が大量に流出したのに続き、18日には原発の運転用図面などがブログなどに公開された。公開されたものは韓水原の内部資料であることが確認された」と伝えた。流出の被害規模はまだ正確に把握できていないという。

この関係者はまた「流出がハッキングによるものなのか、または職員が持ち出したのかについては確認中だ」と説明した。

ハッカーと推定される人物が今月15日に韓国ポータルサイトに開設したブログで、18日午後2時ごろから原発の配管路図面、原発制御プログラム、「原発周辺の放射線量評価プログラム」など韓水原の対外秘資料が公開されたが、同日午後6時40分ごろ非公開に変更された。

「原発反対グループ」と名乗るブログの運営者は「最初の攻撃はハード(ハードディスク)数個の破壊で終わったが、次(の攻撃)は制御システムの破壊だ。原発は安全なエネルギーではなく、われわれは原発の解体を望んでいる。わがグループが約1650個(のウイルス)を送り込んだ」と主張した。

ネット上に公開された資料には「月城原発1号機の減速材系統ISO図面」やアラブ首長国連邦(UAE)に送られた大統領の対外秘の親書といった重要な機密資料が多く含まれていることが確認された。

ソウル大原子核工学科の徐鈞烈(ソ・ギュンリョル)教授は「月城原発の設計図は25万枚に上り、一部が流出したからといってすぐに原発の安全に問題が生じることはないだろう。だが、減速材に関する図面は重要な資料のため、問題は思ったより深刻かもしれない」と語った。また「インドや中国、ルーマニアなど重水炉原発を運営する国に運転用図面が渡れば国家的な損失だ」と懸念を示した。

韓水原の幹部は「流出した図面は機密資料ではなく2009年ごろ職員教育用に作成した一般資料だ」と釈明。「18日夜まで専門機関と点検したところ、ハッキングの痕跡は見つからなかったが、あらゆる可能性を念頭に調査を続ける」と話している。


李仁烈(イ・インヨル)記者

 

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/12/19/2014121900761.html