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東京海上ホールディングス、本店ビルを高さ100m以上の木造ハイブリッド構造の超高層ビルに建て替え。2028年竣工予定。国産材のサーキュラー化目指す。電力は再エネ100%(RIEF)

2021-10-01 18:07:19

tokio0022キャプチャ

 

 東京海上ホールディングスは、同社の現在の本館と新館を一体で建て替えてる新・本店ビル計画のコンセプトを公表した。新本店ビルは同社のサステナビリティ戦略に沿い、国産木材を活用した世界最大規模の木造ハイブリッド構造による超高層オフィスビルを建設する。木造の構造部材を大量に利用することでCO2排出量を抑制するとともに、100%再エネ電力を導入、屋上は大規模な緑化を施すことで、目指す。高さは約100mとなる。

 

 (写真は、現在の東京海上の「赤い」ビル)

 

同社では、「新本店ビルは、ビジネス・歴史・文化が共存する街『丸の内』の美しい街並みに調和し、日本の玄関口である東京駅と緑豊かな皇居外苑を結ぶシンボリックな場所に相応しい、洗練された気品のあるデザインを目指す」としている。新ビルは地下3階、地上19階、延床面積約12万5000 ㎡、高さ約100mの予定。

 

 工事は2022年10月に現在の本店ビル等の解体に着工し、2028年度の新本店ビル竣工の予定。新ビルの設計は、1998年に建設業界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞した世界的な建築家Renzo Piano氏が主宰する Renzo Piano Building Workshop SASと、三菱地所設計が共同で担当する。

 

 新本店ビルを「木造建築」とすることは、建て替え計画の当初からの基本路線。木材はCO2の貯蔵機能を持ち、再生可能であることなど、脱炭素社会に適した「地球環境にやさしい」建築資材との評価による。使用する木材の構造材等は、 戦後植林されて利用期を迎えた国産木材を用いる。これにより、造林、伐採、利用、再造林のサイクルを需要者として支え、山林の保全や水源の涵養、地方経済の活性化など、循環型社会の実現に貢献する、としている。

 

 世界では、木材と金属を組み合わせた「マスティンバー」と呼ばれる最先端のハイブリッド木材による超高層ビルの建設が進んでいる。オランダや、オーストラリア等ですでに高さ100mを超す「木造建築ビル」の工事が着工されているという。東京海上の新ビルは高さだけでなく、再エネ、サーキュラーエコノミー等の要素を組み込んだサステナブルビルになりそうだ。

 

 同社では、使用する木材について柱や床などの構造材のほか、「これまで他に例のないレベルで国産木 材を利用する」としている。電力は再エネ100%化するほか、屋上緑化で生物多様性の保全とヒートアイランド現象の緩和を図る。1階フロアなどに地域住民が利用できるパブリックスペースを設けるほか、雨水の雑用水利用や水の循環システムの導入などによる水資源の保全も図る。これらの環境配慮で、国際的なグリーンビルディングの認証プログラム「LEED」の最高レベル Platinum の取得を目指す。

 

 環境配慮に加ええt、最高レベルの災害対応力として、免震構造の採用、浸水対策、非常用発電機の設置などの様々な災害対策を備えることで、本社自体の高い事業継続性(BCP)を実現する。エントランスホールなどは、災害時には帰宅困難者を収容可能な屋内スペースを広く設ける。

 

 現在の本店ビルは地下5階、地上25階建。延べ床面積6万2695㎡。設計を前川國男建築設計事務所が手掛けた。1976年に国内の優良な建築物を表彰する「BCS賞」を1976年に受賞している。東京海上ホールディングスと東京海上日動、東京海上日動あんしん生命保険の3社は12月に本店ビルから一時移転する。

https://www.tokiomarinehd.com/release_topics/release/l6guv3000000dfb8-att/20210930_New_Headquarters_Building_j.pdf