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中国で拡大する“異常”な所得格差 所得分配改革待った無し(各紙) この国は共産主義、社会主義でなかったのか?「小人中国」
2012-10-24 09:45:55

各紙の報道によると、中国の人事社会保障省が最近、発表した「2011年中国薪酬(給与・ボーナス)発展報告」が話題になっている。同報告では、ある保険会社の総経理(社長)の年収が6616万元(約8億4490万円)で、労働者平均の2751倍、農民工平均の4553倍にも達している、と明らかにされたためだ。中国は貧富の差をなくす共産主義思想をベースにしているはずだが、日本以上の富の格差が開くばかりのようだ。
経済成長とともに、所得が伸びるのはどの国も同じである。同報告によると、上場企業経営者の平均年収は05年の29万1000元から5年後の10年には倍以上の66万8000元に増えた。年率にすると、18.1%の伸び。経営者クラスの中には年収が1000万元を超えている人も少なくない。その一例として冒頭の保険会社の社長の年収が注目を集めているのだ。
企業内の上下で大きな格差が開いているのと同様に、業種間でも所得格差が拡大している。特に所得の多さが目立つのは経済成長ともに資金需要が急増した金融業と、不動産価格の上昇の恩恵を受けた不動産などとなっている。これらの高所得企業の多くは国有企業で、特に中央企業(中核的な国有企業)やエネルギー資源関連の分野での独占企業での高所得が目立っている。
金融業の中で指摘されているのが上海浦東開発銀行である。上海の浦東地区の開発等に資金を供給して大きな利益を上げた結果、10年の行員の平均年収は29万6600元で、このほかに福利厚生費などを加えた平均額はと35万7400元に達し、中国の労働者平均の約10倍に達している。
報告をまとめた人事社会保障省は、さすがに共産党の政権であることを意識してか、報告の最後にはこうした異常な所得格差を是正するための政策として、①高給所得を得ている企業経営者の所得調整の必要②業種間の所得格差の是正③合理的な賃金決定の方式の導入、などを求めている。こうした改革案については、国家発展改革委員会が04年から所得分配改革案の草案づくりを進めており、日本の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)では、今春の会議で、プラン策定を約束した。しかし、最近になって温家宝首相ファミリーの高所得問題が暴露されるなど、共産党・政府上層部の高所得問題が明らかになっており、改革の行方が不透明になっている。
一方で、民間経営者の間では、経営者の所得を制限しすぎれば、経営意欲をそいでしまい、経済成長に影響を及ぼすのではとの危惧の念もある。またバブルの指摘が続いている不動産市場の高騰は、高所得層の購買によって支えられているだけに、所得改革の行方によっては、一気にバブルが顕在化する恐れもある。しかし、もう一方で、低所得に甘んじる人々の不満は鬱積しており、尖閣列島問題での反日暴動の背景にも、実はこうした所得格差の拡大への不満が根強くあるため、との見方もある。
共産党政権が庶民の視点に立って、所得格差改革を実施するか、あるいは市場原理主義を徹底して、共産主義の政治的スローガンを修正するか、中国は政治・経済両面で、一つの岐路に立っているようだ。

































Research Institute for Environmental Finance