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南極の海氷、記録的な拡大-北向きの風が影響(WSJ) オゾンホールの影響か、温暖化の影響か?

2012-11-16 00:06:44

南極での海氷(写真)は拡大する一方、北極での海氷は縮小している。
南極での海氷(写真)は拡大する一方、北極での海氷は縮小している。


南極周辺では北向きの風の影響で海氷が拡大しており、ここ数年大規模な解氷を続けている北極の海氷と対照的だ。科学者たちが11日、報告した。この新たな研究は、米防衛気象衛星計画(DMSP)の衛星4基を使った、19年間にわたる毎日の海氷観測に基づく。地理、気象、気候のパターンが地球の南北の両極域にどのようにさまざまな形で影響しているかを際立たせた。

 この分析は、南極周辺の毎年の海氷の流れの長期的変化が、風の影響を強く受けることを初めて実証した。報告によると、緩やかに集まった浮氷塊を卓越風(ある場所である期間に最も頻繁に吹く方向からの風)が広げる海域では、海氷に覆われた海の部分が目立って拡大しているという。

 調査したのは米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(カリフォルニア州)と英国南極調査研究所の科学者で、報告は11日に英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに掲載された。

 研究のリーダー、ジェット推進研究所の上級研究員ロン・クウォク博士は「風が海氷を動かしている証拠を得た」と言い、「南極周辺の海氷面積の増減は、風力によっておおよそ説明できる。これは南極での方が北極と比べてかなりの大差がある」と話した。

 大まかに言って、地球の両極は鏡に映った鏡像のようなものだ。北極海はおおよそ北米、グリーンランド、それにユーラシアに囲まれ、これによって、風がどの方向から吹こうと、海氷の量は限られることになる。科学者によると、北極の今年夏の海氷は、衛星による観測が始まった1979年以来最も少なくなった。

 これとは対照的に、南極大陸―世界で最も気温が低く、最も風が強い―は厚さ2マイル(3.2キロメートル)の氷に覆われ、周囲は南極海にかこまれている。南極周辺の海氷の年間成長は地球の季節的事象の中で最大規模のものだ。

 3月に南半球で冬が始まると、海氷面積は1分間に22平方マイル(55平方キロメートル)のペースで増える。衛星での観測によれば、海氷の流れは1992年に変化し、一部の海域では氷の広がりは2倍になった。今年は春の解氷が始まる前に、南極の海氷面積は749万平方マイルに達し、過去最大を記録した。

 10月に発表された別の研究によると、NASAゴッダード宇宙飛行センター(メリーランド州)の気候学者は、南極周辺の冬場の海氷が、北極海の夏場の海氷が解けていた同じ10年間に、毎年6600平方マイル程度ずつ増えていたと報告している。これは米コネティカット州よりも広い。

 科学者らは、南極周辺での風のパターンが何によって引き起こされているのかは明らかにしていない。研究によれば、一般に、南極上空のオゾンホール(オゾン層の穴)は南半球全域で風の流れに強く影響していることが明らかになっている。南極周辺の風のパターンもエルニーニョなど大規模な気候サイクルに関連がある。

 クウォク博士は「これよりも規模の大きな、世界気候変動や温暖化とのつながりはもっと説明が難しい」と言い、「われわれにはまだ理解できていない」と語った。

記者: Robert Lee Hotz