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シェールガス革命で 長期的にドル高加速の見方(Reuters) 米国エネルギー資源の自給化へ

2012-11-26 20:18:26

11月23日、岩盤層に含まれる原油「シェールオイル」や天然ガス「シェールガス」。写真はニューヨークで原油・天然ガスオプションを扱うトレーダー。2011年5月撮影(2012年 ロイター/Shannon Stapleton)
[ロンドン 23日 ロイター] 岩盤層に含まれる原油「シェールオイル」や天然ガス「シェールガス」。この新しい資源の生産量が米国で急速に伸びている。米国がエネルギー資源の自給に向けた動きを強めるなかで、為替市場では長期的にドル高・円安の流れが進むのではないかとみられている。

11月23日、岩盤層に含まれる原油「シェールオイル」や天然ガス「シェールガス」。写真はニューヨークで原油・天然ガスオプションを扱うトレーダー。2011年5月撮影(2012年 ロイター/Shannon Stapleton)


国際エネルギー機関(IEA)は前週、世界のエネルギー見通しに関する報告書のなかで、非在来型シェールガス開発などを背景に、2017年までに米国がサウジアラビアを抜き、世界最大の産油国になると予想。さらに2030年頃までには米国が純石油輸出国になるとの見方を示した。

為替ストラテジストの間では、米国で石油・天然ガス生産が増加した場合、同国のエネルギー輸入は確実に減少し、経常赤字は縮小が見込まれるとして、ドル高を想定する向きが多い。実際にそうした思惑からドル買い・円売りを意識する投資家も出始めているという。

シティの欧州G10FX戦略部長、バレンティン・マリノフ氏は「米国が抱える経常赤字がこれまでドル安の大きな要因となってきたが、ここにきて米国は自前のエネルギー資源を推進しており、このことをドル高要因とみる投資家が増えている」と指摘。リスク選好に基づく従来のリスクオン・リスクオフ相場は変わろうとしていると述べた。

ロイターが10月末に行った調査では、8年後の2020年の北海ブレント原油先物相場は、現在の1バレル110ドルと比較して70─184ドルの範囲で推移すると予想されている。

BNPパリバでは、ドルの適正価格が過去10年間で約10─15%下落したと試算。その理由として、石油価格の値上がりや経常赤字に伴う米国の対外債務の蓄積などが挙げられると分析した。

またシティでは、仮に米国でエネルギー資源の自給が可能となれば、現在1174億ドルある米経常赤字は25%縮小することもあり得ると試算。これに伴いドル需要の増加が予想されるとした。

こうしたなか、日本に目を向けると、円は高い流動性を背景に逃避先としての魅力を備えているものの、その一方で、貿易収支はこのところ赤字が続くなど日本経済の見通しは依然さえない。また2011年3月の東日本大震災に伴う原発災害以降、日本のエネルギー輸入依存が高まっていることも見逃せない。

日米はいずれも純石油輸入国であることから、石油価格の値上がりがドル/円に及ぼす影響はこれまでほぼ皆無だった。しかし米国がエネルギー資源を自給できるようになれば、石油価格の値上がりに伴い状況は変化せざるを得ず、実際に「多くの投資家が現時点でドル/円のロングポジションに関心を寄せている」(ドイツ銀のFXストラテジスト、ダニエル・ブレホン氏)という。

アナリストの間では、今後石油価格が上昇すればユーロも対ドルで値下がりする可能性があるほか、カナダドルにも短期的な影響があるとみられている。

(記者 Nia Williams;翻訳 小暮 大剛;編集 高木 匠)

 http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPTJE8AM01P20121123?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0