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米の銃展示即売会、大盛況−規制強化前に駆け込み需要(WSJ) 何ともアメリカらしいというか・・・

2012-12-25 13:49:31

乱射事件のあった小学校に花を手向ける男性(24日)
乱射事件のあった小学校に花を手向ける男性(24日)


【サマーセット(米ケンタッキー州)】当地で開催された「ガン・アンド・ナイフ・ショー(銃やナイフなど武器の展示即売会)」は22日午前9時に始まった。午前10時半にはジョン・ウェード氏の大きなブースは約30丁あった軍事用自動小銃のストックが売り切れになった。

 ウェード氏は「もう売り物がない」と残念がった。同氏はケンタッキー州ボーリンググリーンでシャーウッズ・ガンズという店を経営しているが、そこでもほぼ売り切れだという。同氏はこの店では「客が押し合いへし合いしている」と述べ、「買い手はもはや(攻撃用ライフル)が手に入らなくなると心配している」と語った。

連邦政府統計では、今月14日のコネティカット州のサンディフック小学校乱射事件前でさえ、火器販売は増加していた。連邦捜査局(FBI)のシステムを通じた銃購入のための身辺調査件数は11月に200万件を超え、過去最高に達した。銃規制をめぐる論議が全米で高まっている中で、銃砲店や「ガン・ショー」で買い手は、アダム・ランザ容疑者が小学校襲撃で使った攻撃用ライフルと同じ型にとりわけ関心を示している。

 「ガン・ショー」の開催予定を掲載する主要ウェブサイト「gunshows-usa.com」によると、先週末、フロリダ州オカラからコロラド州キャッスルロックに至るまで、全米24カ所以上でガン・ショー開催が予定さていた。今週末は36カ所以上で予定されている。

 ガン・ショーは年末の商戦シーズンになると常に混み合っている。今回のサマーセット・ガン・アンド・ナイフ・ショーでは「農村開発センター」と呼ばれる集合ビルで開催された。300ほどの展示テーブルが出され、規模としては中程度だが、入場者数はとりわけ大人数だった。サンディフック乱射事件を受けて銃規制法が強化されるとの懸念があるためだ、と主催者のレックス・ケーリ氏(R.K.ショーズ社)は言う。同氏は「今回はこれまでで最高の入場者数だ」と語った。

 ケーリ氏は24年間、ガン・ショーを主催しており、南部や中西部で毎年70回開催する。同氏によると、今年の盛況に匹敵するのは、連邦当局のライセンスを持つ銃ディーラーに購入者の身辺調査を義務付けたブレイディ法の1994年施行直前のガン・ショーだけだという。

 オバマ政権は今回、とりわけガン・ショーでの販売に対する規制強化を呼び掛けた。ガン・ショーでは販売に法的な抜け穴があって、ライセンスを持たない個人の売り手が買い手の身辺調査なしに銃を売却できることを問題視しているのだ。これに対し、全米ライフル協会(NRA)は、連邦政府は規制を強化するのではなく、既存の規制をきちんと履行すべきだと反論し、全ての学校は武装警官を配備すべきだと提案した。

 サマーセットではこの法的な抜け穴が幾度となく利用されている。2人のライセンスディーラーの展示テーブルの間の通路では、ある男性が紙幣を数えながら現金550ドル(約4万7000円)を出し、その息子がサンディフック事件で使用されたのと同じAR-15型ライフルを抱えていた。2人は、銃を携えてショー会場を歩き回っていた個人の売り手から買うのだ。身元調査は一切なく、公式の取引記録もつけないままだ。父と子いずれも、記者に氏名を名乗ろうとしなかった。父親は、銃を購入するのは将来この種の銃を入手できなくなるかもしれないからだと語った。

 売り手が「この銃の使い方を知っているか」と尋ねると、父親は肩をすくめて「大丈夫だと思うよ」と答えた。

 一部の販売はガン・ショーが始まる前に実施されている。22日朝、列に並んだある男性が「グロック23」拳銃とAK-74型自動小銃(有名なAK-47の派生型で、小口径化している)を売ろうとしていた。彼はライフルについて「30発の弾倉4個付きで650ドルでどうか」と叫んだ。買おうとした男性が近づき、ガンボックス(拳銃用の収納箱)はあるかと質問した。売り手が「ある」と答えると、2人は売り手の乗用車に乗り込み、グロック23拳銃で取引が成立した。

 州と連邦議会はいずれもガン・ショーでの販売規制で広い裁量権を持っている。例えばコロラド州はあらゆる銃販売で身辺調査を義務付けている。ガン・ショーでの販売の多くはアルコール・タバコ・火器・爆発物取締局(ATF)から連邦火器ライセンスを得ているディーラーが行っている。彼らは取引記録を保存し、買い手の身辺調査をするよう既に義務付けられている。前出のケーリ氏は、同氏の主催するガン・ショーで展示テーブルを借りた売り手の約95%がライセンスディーラーだと推定している。

 最高裁は2008年と10年に、自己防衛のため自宅で銃を保有しておく個人の権利を認めながらも、「武器の商業売買で条件や資格を課す法律」を含む多くの規制措置は「推定的に合法だ」との判断を下している。

 ケンタッキー州はこのような条件を課す法律がない。

 冒頭の銃ディーラー、ウェード氏は、法律の変更よりも自分の店の在庫をどう補充するかのほうが心配だと語った。

 同氏は「ガン・ショーで(ライセンスなしの)個人売買が禁止されても、わたしは構わない」と述べ、「そうなればガン・ショーのパトロン(買い手)たちはわれわれのようなライセンスディーラーから購入を余儀なくされるから、実際にはわれわれがもっと恩恵を受けるかもしれない」と語った。