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大手ゼネコン受注の福島原発除染事業 人手不足を理由に暴力団暗躍 宮城県警が摘発 ゼネコンの乏しい管理力露呈(河北新報)

2013-10-23 16:44:54

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福島第1原発事故に伴う除染作業員の違法派遣事件は、大手ゼネコンの工事に暴力団が介入したとみられる暗部を浮き彫りにした。鹿島、大成、大林組などの大手ゼネコン各社は通常、信頼の置ける協力会社を下請けにして暴力団排除に努めるが、事件では正式な契約を結ばない下請けが入り、抜け道となった。東日本大震災の復興事業の人手不足が背景にあり、ゼネコン関係者は「素性の分からない業者に仕事が回っている」と危機感を募らせる。

 事件の舞台となった福島市発注の除染事業は東京の大手ゼネコンが元請けだった。市に提出した資料には東京の1次下請けや宮城県大河原町の2次下請けの名前が記されていた。

 
 関係者によると、実際は2次下請けが宮城県岩沼市の建設会社に労働者の派遣を要請。建設会社側は昨年秋ごろ、当時の指定暴力団系幹部で人材派遣業西村満徳容疑者(67)=労働者派遣法違反容疑で逮捕=に人集めを頼んだ。水面下で暴力団に仕事が流れたという。

 
 2次下請けの社長は「数人の従業員を除染現場に出したが、1次下請けから人をもっと出せないかと言われたと社内の担当者から聞いた」と説明。「3次下請けを入れることを1次下請けに嫌がられ、担当者が仕方なく建設会社に頼んだとしか考えられない」と釈明する。

 
 除染作業に暴力団関係者が絡んだ違法派遣事件は、山形県警がことし1月に摘発したのに続き2例目。山形県警の事件も元請けは同じ大手ゼネコンで、同様の下請け構造の下、暴力団が資金を稼いだとみられる。

 
 このゼネコンの広報担当者は「協力会社には日頃から暴力団排除徹底を求めている。人集めという形で巧妙に入られてしまった」と説明する。

 
 他のゼネコンは「暴力団対策を徹底している」と口をそろえる。協力会社との契約の際に「暴力団を介入させない」との条項を盛り込むほか、下請けの作業員名簿を管理し、暴力団関係者を雇わないようにしている。

 
 復興事業では人手不足などから下請けが幾重にも連なる「多重下請け」が相次いで発覚した。特に除染作業はなり手が少なく、あるゼネコン関係者は「作業員を供給する暴力団関係者らの暗躍を許している」と指摘。福島市の担当者は「元請けに対して労働者の管理徹底を要請する」と語る。

 
 宮城県警の捜査関係者は「巨額の公金が動く除染は暴力団の格好の標的だ。関係機関と連携して関与を防ぐ」と話す。

 
[除染作業員の違法派遣事件]福島市発注の除染事業の現場に作業員を違法に派遣したなどとして、宮城県警は今月、労働者派遣法違反などの疑いで、元指定暴力団系幹部の人材派遣業西村満徳容疑者(67)=仙台市太白区郡山8丁目=ら男5人を逮捕した。関係者によると、西村容疑者らは仕事をあっせんする「手配師」を通じJR仙台駅周辺で労働者を確保していた。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/10/20131023t13009.htm