HOME |使用済燃料棒移送作業中の東電福島第一原発4号機 31年前に操作ミスを起こした燃料棒のひび割れ発見(FGW) |

使用済燃料棒移送作業中の東電福島第一原発4号機 31年前に操作ミスを起こした燃料棒のひび割れ発見(FGW)

2013-12-27 23:18:50

燃料棒に生じた傷
燃料棒に生じた傷
燃料棒に生じた傷


東電は福島第一原発4号機の使用済燃料プールから燃料棒の取り出し作業を実施しているが、同プールに保管されている燃料棒が31年前の操作ミスで3か所でひび割れ状態になっていることがわかった。東電はひび割れによる放射能漏れはない、としているが、同燃料集合体を取り出す際に、ひび割れ部分が折れるリスクもある。

東電で起きた過去の事故は、1982年春に、燃料集合体に取り付けるチャネルボックスを、操作ミスで変形させてしまった際に、燃料棒自体にも傷をつけていたことが31年たって、今回、わかったという。ひび割れの大きさは最大7センチ。チャンネルボックスは燃料集合体に取り付ける四角い筒状の金属製の覆いのこと。同ボックスを取り付けることにより、燃料集合体内の冷却材の流路を定めるとともに、制御棒作動の際のガイドや燃料集合体を保護する役割を持つ。

操作ミスの事故は使用済燃料を輸送する作業の関連でチャンネルボックス取り外し作業を行っていた際に起きた。燃料体をプールラックからチャンネルボックス着脱機へ移動し、格納操作後、燃料取替機を走行させた段階で、吊り上げられていた燃料体がそのまま移動してしまったため、燃料にハンドルの曲りと、チャンネルボックスの変形を生じさせたという。

事故そのものは過失で、周辺エリアや燃料プール内の水への影響等はなかったため、当該の燃料はそのまま格納されていた。しかし、今回の移送作業のため、改めて当該の燃料棒を調べたところ、明確な傷が生じ、変形していることがわかった。ただ、分析の結果、放射能漏れ等は起きていない模様という。破損燃料は通常の輸送容器(キャスク)では取り扱えないため、東電は取り出し方法を今後、検討するとしている。

 

http://www.nucia.jp/nucia/kn/KnTroubleView.do?troubleId=953

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_131227_04-j.pdf