トランプ氏「敗北する」ーースウェーデンのVattenfall社、トランプ氏所有のゴルフ場と争っていた英アバディーンの洋上風力発電事業への投資を正式決定(RIEF)
2016-07-22 01:02:10
スウェーデンのエネルギー電力会社のVattenfallが米共和党大統領候補のトランプ氏を「負かした」。
Vattenfallは英国スコットランドのアバディーン湾沖で 計画している洋上風力発電事業の European Offshore Wind Deployment Centre(EOWDC) に30億スウェーデンクローネ(3億4900万㌦)の投資を最終的に決めた。
同洋上風力発電事業を巡っては、トランプ氏が所有する「トランプ・インターナショナル・ゴルフ・リンクス」との間で、景観論争が起き、トランプ氏が風力発電事業の停止を求める訴訟を展開してきた。
訴訟は昨年末にロンドンの高等裁判所でトランプ氏側の敗訴が確定したが、トランプ氏側は納得せず、欧州裁判所に提訴するなどと、最近まで主張していたという。ただ、英国の欧州連合(EU)離脱決定の影響か、あるいは共和党大統領候補選出への配慮か、ようやく断念した形になったという。
Vattenfallによると、トランプ氏との紛争で計画自体が 2年以上遅れたという。今回の投資最終決定で、陸上施設等の建設を今年の末に始め、洋上部分の建設は来年後半に開始、発電は2018年には開始できるという。
11基の風力発電設備を備え、発電量は92MW。英国の家庭6万8000世帯の年間電力消費量を供給できる。 同事業は欧州委員会の「European Energy Programme for Recovery」事業から4000万ユーロの支援を受けている。
Vattenfallは、EOWDC事業を単なる発電事業としてだけでなく、洋上風力技術のテスト、デモンストレーションサイトとして位置づけている。技術力を強化して、2020年には洋上風力だけで4GWの発電能力の保有を目指している。