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国連「緑の気候基金(GCF)」、国際協力機構(JICA)と三菱東京UFJ銀行を、GCF認証機関として承認。環境NGOらは「パリ協定と不整合」と強く批判(RIEF)

2017-07-06 22:26:31

GCF2キャプチャ

 

 国連の「緑の気候基金(Green Climate Fund: GCF)」は6日、韓国ソンドでの第17回理事会で、国際協力機構(JICA)と三菱東京UFJ銀行(BTMU)から提出されていたGCFの認証機関申請を承認した。日本の機関の認証は初めて。ただ。両機関については、石炭火力発電への投融資が多くパリ協定に反するとして、日本のNGO8団体などが、却下を求めていた。

 

写真は、6日の理事会の開催状況:GCFのサイトから)

 

 同理事会をフォローしているNGOによると、審議中に市民社会代表が両機関の認証機関申請について意見を述べる予定だったが、理事会の共同議長が発言を認めなかったという。ただ、スウェーデンの委員のラーズ・ロス氏(同国外務省参事官)が両機関の投資ポートフォリオに占めるCO2排出量が多いことへの懸念の表明があったという。http://rief-jp.org/ct1/71045

 

  理事会は今回、JICAとMUFGを含め、バングラデシュの公的金融機関のInfrastructure Development Company Limited (IDCOL)、インドの Small Industries Development Bank of India (SIDBI)、ミクロネシアのMicronesia Conservation Trust (MCT)、モロッコのCDG Capital S.A. (CDG Capital)の6機関を認証した。この結果、GCFの認証金融機関は54機関となった。

 

 認証機関はGCFが資金供給を実施するプロジェクトやプログラムに対して資金供給のほか、モニタリングやマネジメント業務等を提案できる。既存の認証機関は、国連環境計画(UNEP)、欧州投資銀行(EIB)、世界銀行などの公的機関や、ドイツ銀行、HSBC、クレディ・アグリコルなどの民間銀行、WWF、国際自然保護連合(IUCN)などのNGO、などが加わっている。

 

GCFの理事会会場前で、抗議のプラカードを掲げるNGOたち(7月6日)
GCFの理事会会場前で、抗議のプラカードを掲げるNGOたち(7月6日)

 

 今回のGCF理事会の決定に対して、要請文を提出したNGOのうち、350.org Japan代表の古野真氏は「途上国の脱炭素化を支援・促進させる目的を持つ国際機関のGCFが、世界中で化石燃料開発に巨額の資金を提供する三菱東京UFJ銀行およびJICAのような機関を認証機関として承認したことは大変残念。このような判断は世界が一致したパリ協定の目標と整合しない」と、批判した。

 

 さらに、「少なくとも、GCFに認証されるすべての機関は、気候変動リスク情報および投資・融資先ポートフォリオにおける炭素排出量の開示、パリ協定で定めた地球の気温上昇を1.5〜2度未満に抑える目標と整合する投融資方針の策定を、最低限義務付けられるべき」と注文をつけた。

 

  GCF理事会はこれまで、途上国64カ国で43の温暖化対策事業への22億㌦の資金供給を決定している。ただ、最大の出資国である米国のトランプ政権はGCFへの出資を停止する方針を示している。

 

http://www.greenclimate.fund/-/17th-gcf-board-meeting-to-refine-climate-finance-flow?inheritRedirect=true&redirect=%2Fhome

http://world.350.org/ja/press-release/gcfcsointervention-ja/