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三井住友フィナンシャル・グループ。國部社長が、石炭火力発電への融資見直しを示唆、「さらなる厳格化を検討」と報道(RIEF)

2018-05-17 23:17:47

SMBCキャプチャ

 

  各紙の報道によると、三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)は、石炭火力発電事業への融資方針を見直す可能性があることを示唆した。同グループの圀部毅社長が決算説明会でコメントしたもので、欧米の主要銀行の対応に対して出遅れが指摘されている邦銀の3メガバンクがようやく動き出すことへの期待が出てきた。

 

 Bloombergが報道した。それによると、SMBCの圀部毅社長は14日の決算説明会で、「石炭火力発電は相対的に低コストであると同時に、気候変動への影響が大きいことから、当該事業に対する与信方針についてはさらなる厳格化を検討している」と語った。

 

 圀部社長は、SMBCが環境リスクの視点を織り込んだクレジットポリシーをすでに作成していることを指摘し、「環境に著しく悪影響を与える懸念のある融資等は行わないことを明記している」と述べた。同ポリシーに沿って内外での石炭火力発電事業への融資を評価すれば、融資可能なプロジェクトは自ずから減少するとの姿勢を示唆した。

 

 気候変動の加速を抑制するためのパリ協定の合意を受け、昨年夏には金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が企業と金融機関向けに、化石燃料関連の財務情報開示を促進する勧告を出している。日本の3メガバンクも同勧告の趣旨に賛同しており、具体的な行動が求められている。

 

 ただ、ドイツのNGOウルゲバルト(Urgewald)などが最近、まとめた報告書では、2014年1月~2017年9月の間、新たに石炭火力発電所の建設計画を進めている世界の主要企業120社への融資額で、日本の3メガバンクは、みずほフィナンシャルグループが世界でもっとも多い115.25億米㌦(約1兆2000億円)を融資し、次いで三菱UFJフィナンシャル・グループが101.89億米㌦(約1兆1000億円)で2位、SMBCは35.37億米㌦(約3750億円)で5位と、そろって上位にある。http://rief-jp.org/ct6/78130

 

 このため、国際的なNGOなどから融資姿勢の見直しを求められている。SMBCは世界で5位だが、3メガの中では、みずほやMUFGの約3分の1でしかなく、相対的に、石炭関連事業へのコミットメントが小さいことも、國部社長の発言につながったとの見方もできる。

 

 多額の化石燃料関連融資を抱えていることは、内外で問題視される可能性が高まっている。国際金融市場では、欧州の英HSBCや仏BNPパリバ、ソセイエテ・ジェネラル、独ドイチェ銀行などが競って、新規の石炭関連事業への融資を停止・見直す等の方針を示しており、年金・保険会社等の機関投資家も金融機関を含めて投資姿勢を見直している。こうした流れの中、日本の金融機関に「変化」がないことを、国際的NGOらは重視しており、批判の矢面に立つ可能性が年々、高まっている。http://rief-jp.org/ct6/78779

 

 国内でも、預金先の金融機関の温暖化対策を問う市民運動が出ている。金融機関のレピュテーションが内外で問われる中で、どの銀行が先行して「脱石炭」に動くかが、市場関係者から注目される状況になりつつある。http://rief-jp.org/blog/78746

 

 Bloombergの報道では、RIEFの代表理事の藤井良広上智大学客員教授が、「経営判断という意味でも石炭火力向け投融資の魅力は低下していると思われ、見直しは当然の判断」、「ただ、欧米の金融機関も一気に脱石炭にかじを切ったわけではなく、一定の比率等を導入している場合が多いので、そうした対応に倣おうとしているのだろう。投融資に際してのルール化を模索している段階。厳格化というより、明確化だと思う」とコメントしている。

http://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2018_3/h3003_3_01.pdf