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中部電力浜岡原発の防潮堤ほぼ完成。海抜22m、延長1.6km。膨大な"万里の長城”(RIEF)

2015-07-24 14:03:35

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中部電力は23日、浜岡原子力発電所(御前崎市佐倉)の津波対策のために建設していた防潮堤がほぼ完成したとして、報道陣に公開した。

 防潮堤は海抜22m、延長1.6kmに及ぶ。両端は海抜22~24mの改良盛土を設置している。防潮堤は敷地の内側から建設したが、5号機周辺は狭く海側にある砂丘堤防の上に仮設の構台(海抜14m)を設け外側から造った。

 

 地震や津波に対して粘り強い構造とするため、地下の岩盤から立ち上げた鉄筋コンクリート構造の地中壁基礎の上に、鋼構造と鉄骨・鉄筋コンクリートの複合構造からなるL型の壁部を結合する、新たな構造形式を採用した。また、設計性能については、振動模型実験や水理模型実験による検証を行った。

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 また工期を短縮するため、壁部を工場で分割製作し現地で組みあげるなど、連続的な構築を可能とする工夫を行った。これらの工夫によって土木学会の技術賞を受賞したという。この防潮堤は、内閣府の津波断層モデルによる最大クラスの巨大津波が襲来しても、敷地内への浸水を防ぐことができるという。

 

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 また取水路から海水が浸入しないように、敷地内の取水槽の周辺に高さ約4mの溢水防止壁を設置した。


 防潮堤は5号機周辺の地盤改良工事や表面の仕上げを残すだけで、本年末に完成する見込み。中電は全体で3千億円台後半の費用をかけて同原発の安全対策工事を実施中。現在、4号機が原子力規制委員会の適合性審査を受けており、今後、防潮堤などの津波や地震対策が有効かどうかが審査の対象となる。

http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3256942_21432.html