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米ハリケーン「ハービー」。熱帯低気圧に変わって再上陸。記録的豪雨続く。死者31人に。最大被害額750億㌦の可能性も(CNN)

2017-08-31 13:15:41

Harvey3キャプチャ

 

  各紙の報道によると、米国南部を襲っているハリケーン「ハービー(Harvey)」は熱帯低気圧に変わリ、迷走しながらメキシコ湾から再び、ルイジアナ州西部周辺に再上陸した。各地で記録的な豪雨が続いており、米メディアによると、確認された死者数は31人(31日時点)、避難者数はテキサス州だけで3万2000人を超えた。被害額はさらに拡大する見通しだ。

 

 ハービーの直撃を受けたテキサス州ヒューストン東部の一帯では浸水した住宅に数千人が取り残されている。いったん、避難所に身を寄せていた住民も、避難所自体が浸水に見舞われ、再び別の場所に避難を強いられる事態も起きている。住民は疲労困憊している。テキサス州のアボット知事は、「この雨に関する限り、テキサス州南東部ではまだ最悪の事態は終わっていない」と危機感を示している。http://rief-jp.org/ct4/72255

 

 同州沿岸部ポートアーサーのフリーマン市長は30日、フェイスブックで市全域が洪水に見舞われていると伝え、「通報があれば救助に向かう。可能であれば高い所へ移動を」と市民に呼びかけた。同市では、避難所の市民センターにも同日、水が流れ込み、簡易ベッドが高さ約60cmの水に浸かるなどの被害が出ている。避難所にいた人たちはテーブルの上などに座って待機しながら、近くの学校へ避難した(上記の写真)。

 

 同地の警察はボートで救助活動を支援するボランティアを募り、自宅などに取り残された人は白いタオルやシーツを振って救助を要請するよう呼びかけている。沿岸部のポートアーサーとボーモントでは24時間で660mmの雨量を観測。雨はその後も降り続き、ポートアーサーでの被害の拡大が予想されている。

 

 ヒューストンの豪雨は30日まででピークを超えたが、同市を含むハリス郡の4分の1以上が水没したと推計されている。ヒューストン地域ではこれまでに少なくとも9000~1万人が救助隊に救助され、それ以外にボランティアによって救助された人は多い日で1日に400人に上っている。

 

 熱帯低気圧になったハービーの再上陸で被害は、東方面に広がっており、 ルイジアナ州への影響が懸念されている。これまでのところ同州では、テキサス州ほどの深刻な被害は出ていないが、同州北部からケンタッキー州西部にかけての地域は今後も大雨が続く恐れがあり、洪水が発生する可能性も出ているという。

 

  トランプ米大統領は30日、ミズーリ州で行った税制改革に関する演説の冒頭で、テキサス、ルイジアナ両州の人々に支援を約束。「今から毎日、あなた方に寄り添い復興に力を貸す」と述べた。

 

 これまでの報道によると、浸水などの住宅被害は4万9000棟近くに及び、1000棟以上が損壊したという。インフラや経済取引などを含めた被害総額は、当初、300億㌦前後と見込まれていた。しかし、ムーディーズ・アナリティクスの最新の推計では、被害の長期化、広域化で510億~750億㌦(約5兆6000億~8兆3000億円)になると推定している。2005年8月に南部地域を襲ったハリケーン「カトリーナ」の被害額1080億㌦(約11兆8800億円)に迫る勢いとなっている。

 

 ハービーが熱帯低気圧になって再上陸し、豪雨を再びもたらしていることは、温暖化の進行によってメキシコ湾の海面温度が上昇、熱帯低気圧が大量の水蒸気を再吸収して、降雨量を増やしたことが考えられる。

https://www.cnn.co.jp/usa/35106568.html

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017083100232&g=int