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日本生命 女性活躍後押しする「ウーマンボンド」 チリ国立銀行発行の円建て45億円分に投資。ウーマンボンド投資は日本の生保では初(RIEF)

2016-08-22 16:27:07

nisseiキャプチャ

 

    日本生命保険はチリ国立銀行が円建てで発行したウーマンボンド(女性活躍支援債券)を45億円分購入した。同ボンドは、資金の使途を女性経営者の企業向けの投融資に絞った資金調達で、日本生命はESG投資の一環として位置づけている。今回のウーマンボンド購入で、同社のEAG投資額は1000億円を超えた。

 

 チリ国立銀行(Banco del Estado de Chile)は1855年設立で、チリ政府が100%出資する同国の国有銀行。2015年に女性起業家支援のためのプログラム「Crece Mujer Emprendedora」を開始し、起業時に必要な法律・税務相談や経営トレーニングプログラムの提供、イベント開催、資金支援等の取り組みを展開し、女性の社会進出を積極支援している。

 

 今回のウーマンボンドの発行は、同プログラムの推進や、女性起業家向けローン等の資金源として活用する。ボンドは円建て私募債で、金利等は公表されていないが、期間は約10年。日本生命は、自らも女性活躍推進を持続的成長に不可欠な経営戦略と位置づけていることから、資産運用の視点に加えて、チリの女性活躍支援に協力したいと判断して投資を決めた。

 

 ウーマンボンドは世界銀行グループの国際金融公社(IFC)が2013年に発行したのが初め。他の国際金融機関なども発行している。チリ国立銀行の円建てでの発行は今回が初めてで、国立銀行のCFO、Carlos Martabit氏は「ESG投融資に積極的な日本生命に、当行のウーマンボンドへ投資してもらったことは大変うれしい。今回の投資を機に、日本生命と長期的関係を築いていきたい」と述べている。

 

 日本生命のダイバーシティ推進担当執行役員の山内千鶴氏は「女性活躍推進は日本生命の重要な経営戦略。今回のウーマンボンドは、社会性・公共性の高い生命保険事業の理念に合致している。チリの女性の社会進出や女性経営者向け融資が促進されることを期待している」とコメントしている。

 

 日本生命は、これまでもグリーンボンドなどにも積極的に投資している。今回で、ESG関連の債券投資規模を1000億円台に乗せたが、引き続き、内外のESG投資を積極的に推進していく方針だ。

http://www.nissay.co.jp/news/2016/pdf/20160822.pdf