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みずほフィナンシャル・グループの株主提案への賛成票3分の1を超す。議決権行使助言のグラスルイス、ISSも賛同を推奨。みずほ経営層、もう一段の気候対策求められる(RIEF)

2020-06-25 16:51:02

KIKO005キャプチャ

 

 わが国企業に対する初の気候変動株主提案となった25日のみずほフィナンシャルグループの株主総会で、株主提案をした環境NGOの気候ネットワーク(KIKO)への賛成票が3分の1を超す35%を占めたことが分かった。賛成側には議決権行使助言会社のグラスルイス(Glass Lewis)とインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)も加わった。提案は否決されたが3分の1超の株主が賛同し、そのうちに欧米の投資家が多数含まれたことは、みずほの今後の経営にインパクトを与えるとみられる。

 

 (写真は、みずほFG本部に、株主提案の提出で訪れたKIKOのメンバー)

 KIKOによると、「提案を支持した株主は全体の35%、金額にして5000億㌦をはるかに超える株主が本提案を支持する結果となった」と説明。また、議決権行使助言会社大手のグラスルイス(Glass Lewis)とインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)の2社が本提案への賛成を投資家に推奨したことを明らかにした。https://rief-jp.org/ct1/103976?ctid=67

 温暖化対策をめぐる欧米企業の株主総会での株主提案は、過半数の賛同を得られなくとも、3分の1以上の賛同を得ると、経営層にとっては一定の考慮を図る必要があるとされている。今回は当初、「環境NGO対みずほ」の図式が想定されていたが、実際にはかなりの数の欧米機関投資家がNGOの提案を支持に回り、「NGO+機関投資家対みずほ」の図式に発展した。この点は、みずほだけでなく、他の日本企業にとっても無視できない点だろう。https://rief-jp.org/ct1/103955?ctid=67

 

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 特に3メガバンクを構成する他の三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループの2グループの場合、石炭火力発電への融資姿勢をはじめとする気候変動対応は、みずほとほぼ同じ。来年以降、同様の株主提案が自らのグループに提起されてもおかしくないだけに、みずほだけでなく、3メガ全体が気候対策の再検討を求められたともいえる。

 

 みずほの株主総会に参加し、提案の補足説明を行った気候ネットワーク国際ディレクターの平田仁子氏は、「本日の株主総会では、予想以上の賛成を得て、企業経営ではパリ協定と整合的な詳細な計画が求められるということに対し、世界の投資家から非常に明確なメッセージが発信された」と述べた。

 

 みずほFGは4月14日に「サステナビリティへの強化」策を公表、新規の石炭火力発電向け融資の停止や、環境・社会に配慮したサステナブルファイナンス総額を2030年度までに累計で25兆円とすることなどを宣言している。https://rief-jp.org/ct1/101436?ctid=67

 

3メガバンク全体の気候変動対策転換を求める環境NGO
3メガバンク全体の気候変動対策転換を求める環境NGO

 

 平田氏はこの点についても、「多くの投資家は、(4月の強化策は)その適用範囲と目標の面で気候ネットワークの株主提案の内容を満たしていると言えないことについても、賛同したことになる」と指摘。みずほの投融資全体がパリ協定の目標と整合していない点を強調している。

 

 最新のNGOのまとめによると、みずほFGは2016年から2019年の4年間にグローバルベースで石炭火力発電事業に総額42億4000万㌦の融資および引受をしていたと指摘されている。またベトナムで焦点になっている三菱商事等が主導するブンアン2石炭火力事業への融資も検討しているとされる。(RIEF)

 

 https://www.kikonet.org/wp/wp-content/uploads/2020/06/AGM-DAY-June-Mizuho-resolution_jp.pdf

https://www.kikonet.org/info/press-release/2020-06-23/megabank-stop-coal-export